映画「エヴァとステファンとすてきな家族」 監督 :ルーカス・ムーディソン

メイン flr  時は1975年、スウェーデンのストックホルム。マンションに住む、極ふつうの家族4人の話。

  夫婦げんかをして、妻エリザベートは子供2人連れ家出する。心配する妻の兄ヨーランが仮住まい先の世話をかってでる。用意された部屋とは、ヨーランが住んでいてヒッピー達が住む家の一室だった。この家には大人が7人子供が2人住んでいて共同生活をしている、すでに過密。空いている一室は物置部屋で窓も無い。食事のテーブルは一度に全員が座れない。この家の人々が言っているキーワード。ジェンダーフリー、ベジタリアン、ヨガ、テレビ・コーラの禁止という禁欲生活、政治運動、マルクス主義哲学論争などなど。加えて各種の愛の芽生え、思想論争とささいな言い争い、ステレオの音量など、人の過密はいろいろな衝突が避けられない。こんな世界に放り込まれた3人は・・・・。

  一方、ひとり取り残された父親ラルフは、酒と孤独とに向き合う毎日。同じマンションに住む老人、妻子に逃げられて20年の、この老人がラルフを励ます。「今、勇気をもって帰って来いと言わないと、俺のように一生の不覚になるぞ」と。ラルフは妻子の仮住まいの家に出向くのであった・・・・・・。

  時代設定が1975年ということは、この夫婦は1940年代生まれ、日本で言えば昭和20年終戦前後、つまり団塊の世代。スウェーデンでも新たな時代を作り上げてきた人たちなんだろう。だから過去を壊し、世間のしがらみから自身を引き剥がしといったこともあったろう。
  ヒッピーについて、この映画は適当におちょくっている。口先だけの政治闘争、哲学論争。カウンターカルチャーと言いつつ、中身はボンヤリだったと。
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監督:ルーカス・ムーディソン|スウェーデン/デンマーク/イタリア|2000年|106分|
原題:Tillsammans
出演:エンマ・サミュエルソン(娘・エヴァ)|サム・ケッセル(弟・ステファン)|リーサ・リンドグレン(母親・エリザベート)|ミカエル・ニュークヴィスト(父親・ラルフ)|グスタフ・ハンマシュテーン(叔父、母親の兄ヨーラン)

父tgether-6    後gether
妻子が家出し、1人で怒鳴り嘆く父・ラルフ        映画ラスト、世間のしがらみから開放され、妻子から祝福される父
母hahaClipboard06-56 姉6921_1481635 弟eva_02
子連れで家出し悩む母・エリザベート    もっと悩む娘・13歳のエヴァ        あきらめる弟・10歳のステファン

開放outug9kozoku 小さな恋2361_140265 とも vsl041
しがらみから開放される母・エリザベート     恋に落ちた娘          友達ができた弟



ちらし2f141cd7d4128ceb57b22a0 
 ←スウェーデンの映画ポスター、
  父親だけを取り上げていることに注目!
  どう解釈すればいいのか、凄い。
  そうだ、父親ラルフだけが唯一、新しい自分を発見したんだ。







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やまなか
Posted byやまなか

Comments 2

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思っている人、多いと思いますよ。邦題がやり放題なのが。

2011/07/21 (Thu) 21:29

kayo  

この作品はまったく知りませんでした。原題が英語でいう「Together」とのこと。やまなかさんのコメントを読むかぎりでは、この邦題より「Together」のほうがしっくりくるのでは?

2011/07/21 (Thu) 15:38

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