映画「エヴァとステファンとすてきな家族」 監督 :ルーカス・ムーディソン
2011年07月21日 公開

夫婦げんかをして、妻エリザベートは子供2人連れ家出する。心配する妻の兄ヨーランが仮住まい先の世話をかってでる。用意された部屋とは、ヨーランが住んでいてヒッピー達が住む家の一室だった。この家には大人が7人子供が2人住んでいて共同生活をしている、すでに過密。空いている一室は物置部屋で窓も無い。食事のテーブルは一度に全員が座れない。この家の人々が言っているキーワード。ジェンダーフリー、ベジタリアン、ヨガ、テレビ・コーラの禁止という禁欲生活、政治運動、マルクス主義哲学論争などなど。加えて各種の愛の芽生え、思想論争とささいな言い争い、ステレオの音量など、人の過密はいろいろな衝突が避けられない。こんな世界に放り込まれた3人は・・・・。
一方、ひとり取り残された父親ラルフは、酒と孤独とに向き合う毎日。同じマンションに住む老人、妻子に逃げられて20年の、この老人がラルフを励ます。「今、勇気をもって帰って来いと言わないと、俺のように一生の不覚になるぞ」と。ラルフは妻子の仮住まいの家に出向くのであった・・・・・・。
時代設定が1975年ということは、この夫婦は1940年代生まれ、日本で言えば昭和20年終戦前後、つまり団塊の世代。スウェーデンでも新たな時代を作り上げてきた人たちなんだろう。だから過去を壊し、世間のしがらみから自身を引き剥がしといったこともあったろう。
ヒッピーについて、この映画は適当におちょくっている。口先だけの政治闘争、哲学論争。カウンターカルチャーと言いつつ、中身はボンヤリだったと。
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監督:ルーカス・ムーディソン|スウェーデン/デンマーク/イタリア|2000年|106分|
原題:Tillsammans
出演:エンマ・サミュエルソン(娘・エヴァ)|サム・ケッセル(弟・ステファン)|リーサ・リンドグレン(母親・エリザベート)|ミカエル・ニュークヴィスト(父親・ラルフ)|グスタフ・ハンマシュテーン(叔父、母親の兄ヨーラン)


妻子が家出し、1人で怒鳴り嘆く父・ラルフ 映画ラスト、世間のしがらみから開放され、妻子から祝福される父



子連れで家出し悩む母・エリザベート もっと悩む娘・13歳のエヴァ あきらめる弟・10歳のステファン



しがらみから開放される母・エリザベート 恋に落ちた娘 友達ができた弟

←スウェーデンの映画ポスター、
父親だけを取り上げていることに注目!
どう解釈すればいいのか、凄い。
そうだ、父親ラルフだけが唯一、新しい自分を発見したんだ。
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