映画『迷子の警察音楽隊』・『ホルテンさんのはじめての冒険』・『火事だよ!カワイ子ちゃん』

警察音楽隊員、鉄道職員、消防署署員。
こういう制服組織は規律・命令遵守が命で団体行動が基本。
ご年配のお偉方は、永年の日常業務をつつがなく行うために部下を統率する。
しかし、お偉方の人生に無い予期せぬ珍事が起こると途端に対応能力がゼロに。
視界ゼロで迷走する上司と、振り回されるしかない部下達。
そういったコメディ3本を次にご紹介。


『迷子の警察音楽隊』 2007 イスラエル=フランス
監督:エラン・コリリン
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【ストーリー】
エジプトの警察音楽隊一行は、文化交流コンサートのためイスラエルにやって来たが、手違いか?空港に出迎えスタッフが来ず、彼らは自力で宿舎に向かうが、言葉が通じないためにバスで降りたところは人気のない砂漠の広野。ぽつんとあったカフェの女主人に助けられ、異文化交流が生まれるという話。老齢の音楽隊隊長の一途な命令が隊員たちに災難をよび幸いをよぶ。背景は過去、戦争を繰り返したエジプトとイスラエル、そして介在するパレスチナという微妙な国際関係とその民族。
映画終末にコンサート風景が出てくる。彼らはエジプト民族音楽の楽隊で、隊長はエスニックなボーカル!(これが実に良い)民族楽器も混じっていた。



『ホルテンさんのはじめての冒険』2007 ノルウェー
監督:ベント・ハーメル
映画













【ストーリー】
ホルテンはまじめで精勤な電車運転手、定年退職目前。明日は最後の出勤日。しみじみ我の来た道を振り返る。さてその夜は職場仲間主催のパーティ。しかしそこへ向かうホルテンに災難が待ち構えていた。結果翌日は遅刻、駅に駆けつけるが乗務すべき電車がホームを離れていく。こんなことは入社以来1度も無かったのに!!
情けない思いと、一方自分の人生にありえなかった昨夜の冒険、ない交ぜの感情が交錯するおかしさをゆるりと主人公は受け入れる。


『火事だよ!カワイ子ちゃん』 1967  チェコスロヴァキア/イタリア
監督:ミロス・フォアマン
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【ストーリー】
田舎町。市民ホールで行われる消防署主催の、地元市民との交流パーティ。恒例の出し物「ミス消防士コンテスト」 制服を着た年配者たちの命令や意図はわずかなことで狂い始めた。上司の命令に右往左往の署員。ドタバタは、観客の地元市民たちをも巻き込んで爆走する。外は雪、夜はふけた。パーティも終焉のその時、なんと近くの家が家事!消防署署員たちはあわてて駆けつけるが家は夜空に赤々と燃え上がる。地元市民はそれを呆然と眺めている。
監督は共産党幹部批判をこの映画にねっちりと練りこんでいる。(1967年公開1週間で上映中止という名誉)
当時、監督は「チェコ、ヌーヴェルヴァーグ」の若手旗手
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ベント・ハーメル監督の映画
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キッチン・ストーリー
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卵の番人
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ホルテンさんのはじめての冒険


ミロス・フォアマン監督の映画
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ブロンドの恋
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火事だよ!カワイ子ちゃん
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カッコーの巣の上で


エラン・コリリン監督の映画
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迷子の警察音楽隊
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山のかなたに


【 一夜一話の歩き方 】
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