映画「パーマネントバケーション」 監督:ジム・ジャームッシュ

歩きerton_permanent_vacation 今、改めて観ると、青い。 
 監督の青さが、すがすがしい。いいね。

 だから、この映画の観かたは、当時の監督の若々しさを愛でて観る。なんたって監督は当時大学生ですから。卒業制作作品。製作・監督・原案・脚本・編集すべて、ジム・ジャームッシュ。
 (上)主人公:アロイシュス・パーカー16歳


レコード9nca8exnyoeo1_r1_500 交通量の多いニューヨークの大通りから、一歩も二歩も入った裏通り。1980年、そこは荒れ放題、いつからか時間が止まっている。レンガ造りの古い低層ビル・倉庫が並んでいる。道路の舗装もひび割れて。人影も無い。
 そんな街をあてもなく歩き回る高校生男子アロイシュス・パーカー16歳。彼女の元からふいと姿を消していた彼が、倉庫の一角のような彼女の部屋を訪れる。その場に定住すること、淀むことがいたたまれなく、常に流れていたいアロイシュス。そう彼女に言いながらも、ご無沙汰だった事に照れて、レコードをかけ、おどけてダンスし始める。一曲分、フルにダンスして息が上がるが、彼女は背を向けて無視。


 ある日、アロイシュスは決断した。何着かの服と一足のブーツをトランクに放り込み、それ以外のニューヨークでの何もかもを捨て旅に出る。右手にパスポートを握り締め、マンハッタンからの出港を待っている。
 ここに居続けることに嫌悪と、せりあがる不安があるけど、あそこに行きたい、あれがしたいというわけじゃない。もちろん精神的にも定住したくない。逃げるわけじゃない。「清流」に身を任せ、流れていたい。今それが一番自分に素直な選択なんだ。


監督:ジム・ジャームッシュ|アメリカ|1980年|75分|
原題:Permanent Vacation
出演:クリス・パーカー Allie (Aloysious)|リーラ・ガスティル Leila|ジョン・ルーリー Sax Player|リチャード・ボース War Vet|サラ・ドライヴァー Nurse|ほか

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Punk RockじゃなくJazzなんだよね。ジム・ジャームッシュの製作スタンス。
海09002544  マンハッタン101008
ロアマンハッタンの港              ワールドトレードセンターが完成して3年後、
                           パンアメリカン航空の本社ビル売却直前
                           1980年、アップルが株式公開。


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