ドキュメンタリー映画「Peace」  監督:想田和弘

メイン 小 peace  一人住まいで身寄りの無い91歳のご老人、橋本さん。肺がんの終末期の患者である。手術をするには高齢すぎる。うまそうに吸うそのタバコが、Peace(ショートピース)。

  監督の奥さんのご両親、柏木ご夫妻は岡山市郊外で地域の介護ケアを、NPO組織でなさっている。そのケア対象のひとりがこのご老人。定期的に老人宅に訪問して1時間、彼と会話して身の回りの手伝いをする。

  日本は現在、医療・福祉・介護それぞれの領域で、かつ医療・福祉・介護の境界をまたぐ領域で、たくさんの問題を抱えています。民主党や行政や各種団体が問題解決を避けているわけじゃないが、国の土台であるべき方針は混乱し宙を舞っている。患者さんはじめ多くの方々が日々困っている。
  そもそも、国や行政などが見ているものと、柏木さん達に見えているもの、これが根本的に違うんじゃないか。基本的人権などの条文から遥かに遠いところに、乗り越えていくべきことがあるように思う。

  映画を観たあとの思いから、いろんなことをそぎ落としていくと、「やすらぎ」という言葉が浮かんでくる。安っぽい次元で言ってんじゃない。Peaceを吸う老齢な男にとっての、いっときのやすらぎ。自分自身で継続可能な、そんな小さなやすらぎを幸せというのかもしれない。こころの奥の一点を穏やかにしてくれるから、ひとり孤独であることを楽しめる、そんな自由さ。周囲からみれば、わがまま、迷惑であったりするが気にもとめない。基本的な人権。柏木さんのご主人にとっては、猫たちとの時間が「やすらぎ」なんだ。ねこ 06-6






npo  dafb659d1a9監督・製作・撮影・編集:想田和弘|2010年|75分|
製作補佐:柏木規与子|撮影協力:共助グループ喫茶去、岡山済生会総合病院、移動ネットおかやま



想田和弘 監督の映画
写真
精神
写真
Peace
写真
牡蠣工場


【 一夜一話の歩き方 】
下記、クリックしてお読みください。

写真
写真
写真
写真
写真
こちらからも、どうぞ!
海外映画評・題名50音順リストは、こちらから
   〃   ・製作国リストは、こちらから
日本映画評・題名50音順リストは、こちらから
   〃   ・監督名リストは、こちらから
観たい映画、気になる映画は、こちらから どうぞ
関連記事
やまなか
Posted byやまなか

Comments 0

There are no comments yet.

Leave a reply