映画「ようこそ、羊さま。」 監督:リウ・ハオ

羊飼いになりたい。
けっこう唐突な願望だ。
こういう無回転・剛速球をあなたは、どう受け止めます?

  おとといテレビで・・・・・、ある日突然、羊飼いになりたいと思った方が、日本で羊牧場を経営するに至った話を観ました。さらに最近、羊飼いになりたいという進路希望を持ってる女子大生の話を聞きました。試しに「羊飼いになりたい」とGoogle検索すると、同じ思いの人が出てきますね。
  私は羊飼いというと、「アルケミスト 夢を旅した少年」パウロ コエーリョ (著)を思い出すくらいですが。

羊飼いになるには・・・
このキーワードで検索してみました。いやいや思いのほか、熱いです。

  石田シープ・ファーム  公式サイト
  羊飼いの紹介や羊のお話し 北海道白糠町サイト
  みんなで羊飼いになろう  中国専門旅行サイト 旅チャイナ


羊飼いなんかに、なりたくなかった映画。「ようこそ、羊さま。」
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  そもそも中国に生息しない種類の羊、ひょっとしたら中国で飼育経験が無い羊かもしれない。誰も見たことがない珍獣、そんな羊が2頭、ターシャンの軒先に突然やってきた。今日から飼育しなさい、というお達し。
  村長は郷長のご機嫌をとり、郷長は副県長の面子を一番に気にしている。一村一品運動、特産が何も無い貧しい村を豊かにしようと、副県長は、学者先生と相談して、この羊をこの村に送った。それを受けて郷長は、この村にやって来て、村長の案内で、ターシャンの庭先へ。これがことの次第。
 土地images  だが、村上げての大騒動、みんなが助け合って・・・・とはならなかった。「ターシャンはいいね、一日中、庭先で羊ちゃんと日向ぼっこで」
  しかし、しかしですね、ターシャン夫妻は大わらわ。「近ごろ羊、やせてない?」と村長に言われれば、遠くの草原まで出かけて草刈してきたりと。なにしろ、この部落のまわりは、草木1本も生えていない荒涼たる丘陵地帯なんです。(雲南省)

  脚本の出来がいまいちで、話の展開や人物描写がたどたどしい。
  でも、中国雲南省の様子が分かるいい映画です。電気、水道、電話がない。部落の人たちの移動手段は徒歩。家に村長サンが来た、という知らせは、村の若いモンが走って、丘陵のてっぺんで畑を耕しているターシャンに伝え、二人は舗装されてない土の坂道を駆け下りていく。こんなシーンが何度も出てくる。獣医がいる町へも徒歩。羊のお産の時は獣医のいる町までバイクで走るが、獣医は酔い潰れていて役に立たない。人間の医師を捕まえて、強引に部落まで。2004年製作の映画ですから、その後、この部落は改善されたのでしょうか。沿岸部と内陸部の格差、都市部周辺の農家との格差。豊かなのは時間だけなのでしょうか。

サブkoso 監督:リウ・ハオ|中国|2004年|100分|
 原題:好大一対羊
 出演:スン・ユンクン|ジアン・ジィクン|ヤン・ズオジウ






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やまなか
Posted byやまなか

Comments 1

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kayo  

羊飼いになりたい場合は…とりあえずアルプスの山のペーターにでも職相談してみるかぁ。今朝のニュースだったか、フィリピンで巨大ワニを捕獲してそれを街の観光の呼び物にしようという話題が流れていました。この映画、面白そう。便利な交通手段やネットに慣れてしまったわたしたちにとっては、存分にヤキモキできるだろうし、少し前までは日本もさほど変わらなかったということを思い出させてくれるのでは?

2011/09/08 (Thu) 00:26

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