映画「ロビンソナーダ」 監督:ナナ・ジョルジャーゼ

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黒海の東岸の国、グルジアの1920~22年までの話。
 イギリス帝国主義とロシア革命の余波がグルジアにおよんだことで、ふたりの愛、ふたりの人生は狂ってしまった。

 この国をイギリス国際電信の電線がつらぬいていた。先はインドまで。
 そしてイギリスは電線電柱の管理保守のため、各国に人を派遣していた。そのひとりイギリス人技師クリストファーは、グルジアのある村に派遣されてきた。
 そしてアンナに出会い、恋に落ちる。

 ふたりが小さな村で愛を育んでいる時、世界は大きく変動し始めていた。
 ロシア革命がグルジアにもおよび、アンナの兄は村で先頭に立って、地主領主ラヴレンティを追い出し、村人を集め革命のアジテーションをする。1922年、グルジアはソ連に加盟。

 一方、イギリス本国はグルジアに派遣されている技師たちに対し緊急帰国を促していた。
 しかし、その報はなぜかクリストファーには届かなかった。
 彼はイギリスの国益を守るため、電線電柱を防衛するため、皮肉にもアンナの兄と戦うことになる。
 ここからクリストファーとアンナの人生、そして意外にも地主ラヴレンティの人生も大きく翻弄されていく。 

 ところどころコミカルなシーンをはさみながら、重くならない映画に仕上がっています。
 イギリスは、最新技術の電信による情報収集/伝達でインド植民地経営に成功していました。
 電線が通過する各国と契約を結び、電柱のまわりの土地、半径3メートルの円形の土地を、電柱の本数分買い取っていて、その土地をイギリス領にしていたのです。


監督:ナナ・ジョルジャーゼ|グルジア|1986年|73分|
原題:Robinzoniada anu Chemi Ngliseli Papa
   ROBINSON, MY ENGLISH GRANDFATHER
出演:ジャンリ・ロラシヴィリ(Christopher Hughes & his Grandson)|ニネリ・チャンクヴェターゼ(Anna)| グラム・ピルツハラヴァ(アンナの兄Nestor)|グジャー・ブルドゥリ(地主Lavrenti)|Rusudan Bolkvadze(Lisa)

物語るlais-photo-film
生き延びたアンナは語る。


ナナ・ジョルジャーゼ監督の映画
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ソポトへの旅
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ロビンソナーダ


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やまなか
Posted byやまなか

Comments 1

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kayo  

すごいね、山中さん。よくこんなコアな作品を見つけて鑑賞している。わたしはまったく知らない映画。1920年代の(ソ連を含む)ヨーロッパ情勢は、とても奥深い。強国が近隣諸国におよぼした影響は、わたしたちが知るより、もっともっと深刻なのでしょう。そんなナマの声をこういう映画は教えてくれますね。

2011/09/24 (Sat) 22:49

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