映画「誤発弾」 監督:ユ・ヒョンモク

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  朝鮮戦争が休戦になったのが、1953年。この映画は、その8年後に製作された。

  戦争に対する怒り、悲しみが、ものすごく反映されている。負傷した兵士はもちろん、無事帰れた兵士も、心に傷を負った。兵士でなくても、住むところから逃げざるをえなかった人々、兵士を送り出した家々の人々も心に傷を負った。
  かつてあった平常心は壊れてしまった。心がぶれる。自暴自棄、行き過ぎな行為に走る。これからの人生に対しての「わからなさ」に耐えられない。茫然自失。戦争直後の、こうした言葉にしきれない膨大な怒りと無数の悲しみを、映画は今も叫んでいる。
  主人公一家のみんながそれぞれに暗転していく様子は、筋書きとしてちょっと無理やりな気もするが、ここは、この映画が発するメッセージをしっかり受け止めたい。

  朴政権のもと映画法が制定され、この作品が上映禁止の第1号となったことも含め、この国を知るためにみんなが観たい映画だ。上映機会が増えることを期待したい。
  邦画において戦後8年間、つまり1945~53年ころまでの映画で、戦争の悲しみをここまで正面きって扱った作品があったろうか、いま私は思い出せない。
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サブ 7_1 監督:ユ・ヒョンモク|韓国|1961年 (1975年に韓国封切り)|105分|
 英題:A Aimless Bullet
 出演:キム・ジンギュ|チェ・ムリョン|ムン・ジョンスク|ユン・イル・ボン




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やまなか
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