小説「謎のヴァイオリン 」 クリスティアン・ ミュラー著

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  ヴァイオリンに贋作(がんさく)があることを教えてくれた本。
  名器ストラディバリウス以外に、グアルネリウスという名器があることも教えてくれた小説。
  元捜査官でヴァイオリン鑑定家という都合が良すぎる主人公が、このグアルネリウスにまつわる贋作?について依頼を受け国際的に調査が始まる。
  話は面白く展開し、その中でヴァイオリンのうんちくが披露される。ヴァイオリンは簡単に分解できて、例えば一挺の破損した名器から、二挺の名器が生まれる。当然不足のパーツは古楽器から調達する。鑑定の目は、響き、音色、デザイン様式や素材や木目に鋭く迫る。ソ連からロシアになる端境期に博物館から著名なヴァイオリンが複数流出し、その後行方不明だった。まるで名画と同じようだ。

ヴァイオリン

  ストラディバリが製作したヴァイオリンは、1200挺あるといわれ、今600挺が存在しているらしい。
  一方、主人公のグアルネリウスは、制作された挺数は200程度で現存する挺数ははっきりしていない、ところが面白い。うろ覚えだが、当時、ストラディバリはパトロンがいる著名なヴァイオリニストがユーザーで、よって当時も高価。その上、工房形式で生産されたので生産本数が多い。グアルネリウスは個人で製作、ユーザーは街の演奏家だったらしい。

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やまなか
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