「いのちと放射能」 柳澤桂子 著
2011年10月06日 公開

遺伝子って何だっけ?
遺伝子が放射能で傷つくとは、どういうこと?
傷ついたら、どうなる?
それは遺伝する?
妊娠中に被爆したら、どういうことになる?
110ページほどの薄い文庫本です。
内容は平易に書かれていて、中学生からでも理解できる。
チェルノブイリ後の1988年に執筆された本ですが、3.11後に書かれた本のよう。筆者の先見眼に驚かされます。
遺伝子が放射能で傷つくとは? といった基本的なこと科学的事実を、私たちは何も知らずに、あるいは知ったかぶりして、毎日のニュースを聞いたりしています。池上さんの話も悪くないですが、自分自身で学びたい。たった560円で、いま誰もが必要としているはずの、基本が理解できます。理解できると、次が見えて来るはず。こんなことを繰り返して生きたい。
著者は三菱化成生命科学研究所の元主任研究員で、生命科学者。
遺伝子医療や放射能について多彩な研究と執筆活動。ご自身は難病を経験。詳しくはこちら wikipedia
(抜粋)
私たちは40億年かけて進化してきました。それだけ時間をかけて、地球という自然環境のなかで生きるようにつくられているのです。それをたかだか数百年の近代科学歴史しかもたない浅はかな知恵で自然を支配したかのような錯覚に陥っているに過ぎません。
目次
私たちは星のかけらでできています
DNAはいのちの総司令部
DNAは親から子へ受けつがれます
放射能を浴びるとどうなるのでしょう
弱い放射能がガンを引き起こします
放射能はおとなより子どもにとっておそろしい
お腹の中の赤ちゃんと放射能
少量の放射能でも危険です
チェルノブイリの事故がもたらしたもの
人間は原子力に手を出してはいけません
これ以上エネルギーが必要ですか
それはこころの問題です
ひとりひとりの自覚から
あとがき
文庫版への長いあとがき
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