近世文学研究 「江戸滑稽化物尽くし」 アダム・カバット (著)
2011年09月10日 公開

アメリカに「プラスチックマン」というのがいた。
漫画「スーパーマン」が漫画界に登場した3年後、1941年に「プラスチックマン」がデビュー。スーパーマンのように超能力を持ち正義にために闘ったヒーロー。当時人気はあったが、その後ほぼ忘れられてしまった漫画。
孤児だった彼はギャング団に入っていた。追われる中、正体不明の薬液が入った水槽に転落、このせいで身体がゴムのようになる。著者は「ろくろ首」と同根だという。私はゴムゴムの実を食べた、ワンピースのルフィも同じだと思う。
本書は講談社学術文庫なので、プラスチックマンは冒頭の一部でしかない。
江戸期に大変な人気となった、「絵と文」が一体となった本、草双紙を研究対象として、滑稽で怖い化物を描き出している。そして江戸時代の、普通の人々のこころの様子を発見している。
泉鏡花が好きな私は、鏡花の背景が知りたくて読んでみた。



男のろくろ首もいた。
首が外出してる間に、胴体がいる家に泥棒が入っている。(中央の絵)
こんな本を草双紙という、泉鏡花は愛読していたらしい。
左端の絵には、アンパンマンに出てくるようなキャラがいる。



●妖怪の本 『趣味研究 動物妖怪譚』も見てね。 こちらからどうぞ
水木しげる氏が4歳の時に出版された、妖怪本。(1926年発行)
- 関連記事
-
-
小説「謎のヴァイオリン 」 クリスティアン・ ミュラー著 2012/04/23
-
小説「ふしぎな山からの香り」 ロバート・O・バトラー著 2011/12/02
-
「食う。 百姓のエコロジー」 田中 佳宏 著 2011/11/20
-
「うくしすつてとのへ」って何よ? 2011/11/18
-
映画「ブック・オブ・デイズ」と「中世ヨーロッパの都市の生活」と。 2011/11/17
-
江戸時代!江戸時代。 デジタル修復版「幕末太陽傳」を観る前に、「落語の国からのぞいてみれば」を読む。 2011/10/28
-
「いのちと放射能」 柳澤桂子 著 2011/10/06
-
近世文学研究 「江戸滑稽化物尽くし」 アダム・カバット (著) 2011/09/10
-
小説 「カレーソーセージをめぐるレーナの物語」 ウーヴェ・ティム著 2011/08/08
-
エッセイ 「ぼくは猟師になった」 千松信也 2011/08/06
-
ガロ20年史 木造モルタルの王国 青林堂 1984年発行 2011/05/10
-
「字幕屋は銀幕の片隅で日本語が変だと叫ぶ」 太田直子著 光文社新書 2011/04/07
-
漫画雑誌「漫金超」 創刊号 1980・春 2011/01/05
-
転がる香港に苔は生えない 星野博美 著 2000年発行 2011/01/04
-
小説 おっぱいとトラクター マリーナ・レヴィツカ著 2011/01/03
-