映画「常緑樹」 監督:シン・サンオク

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  1910年の日韓併合により大日本帝国が統治した時代。
  1930年ごろ、ソウルに住む女子学生ヨンシンは、キリスト教会の集まりの中で、人道主義に沿った社会奉仕に目覚め、ひとり自主的に農村啓蒙運動に参加していた。その集会で正論を述べる学生トンヒョクに共感を覚えたヨンシンは、トンヒョクに教えを請ううちに、お互い愛を誓いあう仲になった。

集会にてimages  トンヒョクは貧しい農村出身。社会主義、民族主義を学び日本帝国主義と、農村地主の農民への抑圧・搾取に怒りを抱いていた。ソウルで議論しているより村に帰って自身の考えを実践に移すべく、彼は退学していった。

  時を同じくしてヨンシンは、僻地の農村にある小さな教会で、子供達に読み書きを教えるため単身、自ら望んで派遣された。
  無人の教会を軸に、村内でヨンシンは孤軍奮闘するが、彼女を受け入れてくれない日々が続いた。しかしやがてヨンシンの熱い思いが伝わり、「学問なんかするもんじゃない」といった親達が持つ因習が消え、我が子に文字を習わせようとする親達があらわれ始めた。  日々が経ち、小さな教室に入れないくらいの子達が通うようになる。教室運営を助ける人々もできた。しかし運営を阻止したい日本人憲兵は建築法違反を理由に学生数を減らそうとする。
  一方、村に帰ったトンヒョクは、地元青年たちを集め活動し始めたが、これをよく思わない村長そして、この地区を統治する日本の役人が運動をねじ伏せようとする。

お互いoks  そんな中でも、愛し合う二人は文通でお互いを励ましあっていた。
  だが、ある日、ヨンシンが病に倒れる。

  日本による植民地時代下にあった農村啓蒙運動。1930年代前後に盛んだったという。
  当時、2000万人の国民のうち識字率は20%だったらしい。この現実を打開するため、国民にハングルの読み書きを教えながら、加えて迷信、旧習をなくし勤倹節約といった生活改善をはかろうとする運動だった。そして同時にこの運動は抗日運動でもあった。

  観ておくべき映画です。

監督:シン・サンオク|韓国|1961年|143分|
原題:상록수|英題:Evergreen
原作:シム・フン(沈熏)
出演:ヨンシン(チェ・ウニ)|トンヒョク(シン・ヨンギュン)|ホ・ジャンガン|シン・ソンイル|ト・グンボン

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やまなか
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