映画「北の橋」 監督:ジャック・リヴェット
2012年02月11日 公開


マリー(左)とバチスト(右)、女ふたり、パリの市街でサスペンスごっこだ。 謎の地図を偶然入手し、男達に追い狙われ街をさまよい、挙句の果てには激しく火を吹く巨大なドラゴンが! グォー!
銀行強盗共犯の罪で刑務所にいたマリーは30歳代、閉鎖的空間で強いストレスを感じるパニック障害患者。バチストは空手とカッパライが得意な、まだまだ若い路上生活者。

マリーは出所後、昔の彼氏ジュリアンを見つけ出し再会できた。ジュリアンには仲間がいる。おそらく、極左過激派かテロリストなんだろう。マリーが銀行強盗を手伝ったのも、彼らの活動の一部だったんだろう。ジュリアンが持っていたバックには、過激派関連事件の新聞記事だと思われる切り抜きとパリの地図がファイルされていた。(フランス語読めないのでわからない) マリーはバチストに、 「ホラこの記事、私の顔写真載ってるでしょ」 と説明している。続けてマリーが言う 「でも難しいことは、わからないわ」

マックスという男が、ジュリアンを追っている。そのマックスがマリーに言う 「あなたはリストに載っている。だけど今回は関係ないのだから、首を突っ込まないでフランスを出国しなさい。あなたの身のためだ。」 マリーはその意を飲み込めないらしい。ジュリアンもマックスも血まなこで探しているパリの地図を、マリーとバチストはながめながら、 「この地図に書き込まれた黒い線は何を意味するのかしら?」 なんて謎解きを楽しみながら、その地図に何やら自分達で書き入れている。極左過激派の計画地図に子供がいたずら書きをしている感じ。
女は難しい事は分かりません。男に任せておきなさい。真似はしてもいいけれど、本気で難しいことに首を突っ込めば、必ず痛い目に会いますよ。こんなメッセージが読み取れるかな、危なっかしい映画だ。
だから、あまり考えずに、マリー&バチストのフランス風味を味わいましょう。




監督:ジャック・リヴェット|フランス|1981年|原題:Le Pont du Nord|127分|
脚本:ジャック・リヴェット、ビュル・オジエ、パスカル・オジエ、シュザンヌ・シフマン|
台詞:Jerome Prieur|撮影:ウィリアム・ルプシャンスキー、カロリーヌ・シャンペティエ|
出演:ビュル・オジエ (マリー)|パスカル・オジエ (バチスト)|ピエール・クレマンティ (ジュリアン・マリーのかつての彼氏)|ジャン・フランソワ・ステヴナン (マックス)|ベンジャミン・ボルティモア (もうひとりのマックス・殺される)|スティーヴ・バエズ (さらにもうひとりのマックス)|

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