映画「小さな兵隊」  監督:ジャン=リュック・ゴダール

ベロニカbsyup6m1q  おふたりpetit--g

  スイスのジュネーブが舞台。映像はモノクロでおしゃれでアンティーク、ベロニカ役のアンナ・カリーナは美人。ぼんやり見流していると、明るさ/憂いが入りまじった きれいなフランス映画。1960年に製作された。半世紀も経ってしまった現在、そう思ってもいいんじゃないかな。

マップmap  イヤイヤなにトボケタこと言ってんだ!1960年のフランスだよ!ゴダールだよ!(うんうん、そうそう。)
  でもサスペンスを、も少し楽しもうとしたら、当時のフランスを知らないと分からない、難しいね。当時、フランスはアルジェリア戦争の最中でした。アフリカにある 「フランス領アルジェリア」 が、フランスから独立する戦争だ。戦場はアルジェリアだけで、フランス本土は平常でした。ただし中立国スイス・ジュネーブは各国の諜報スタッフがうようよしていた。
  こんなジュネーブだからこそ、主人公のフランス人ブルーノが脱走兵でも街を歩けた。ブルーノが属する、アルジェリア独立を阻止するテロ組織OASがブルーノに狙撃を命じたり、FLN (アルジェリア民族解放戦線) の諜報員がブルーノを拉致し拷問をするようなシーンは、平常に見えるジュネーブの街が、アルジェリア戦争の戦場であったことを映画は伝えている。ジュネーブには数人単位で行動する小さな兵隊たちが、日常の裏で戦っていた。なかにはブルーノのように恋をしながら。

拷問0-11-20h15  一気に並走し拳銃の引き金を引く。ブルーノは狙撃ターゲットが運転する車を尾行するのだが元々殺人を思い切れないし、いいタイミングだったが対向車を避けざるをえなかったり(と自分で言い訳する)、で結局失敗に終わり逃げる。彼はOASからも脱走する。しかしFLNの激しい拷問を受けたが、一言も口を割らなかった。ブルーノは自分の中にある、自分の主義に忠実に従ったまで。つまり自分の存在意義。
  彼はFLNたちの隙を突いて辛くも脱出、ベロニカに助けられた。口にこそしないが、ベロニカはブルーノが知らないことまで知っている様子。なぜ? なにやら結構危ない雰囲気が、ふたりを取り囲み始めた。

濡れた布をかぶせられて息ができないブルーノ。


<アルジェリア戦争(1954~1962)>
  実態は複雑だったらしい。アルジェリアにはアラブ人、ベルベル人などの先住民が住んでいる。
  ・アルジェリア域内に昔から定住するフランス人などの白人と、アルジェリア先住民との間の民族紛争
  ・先住民族の間での、親フランス/反フランスという先住民族内紛争
  ・フランス軍部とパリ中央政府との内戦でもあったらしい。

<フランス語圏の世界分布> 
  ・フランス語を母語とする話者が多数を占める国や地方自治体(黒色)
  ・公用語となっている国(青色)
  ・第二言語として用いられている国や地方自治体(空色)
  ・フランス語のコミュニティが存在する地域(緑色)・・・wikiより。

  そもそも、なんでフランス語がこんなに多くの地域で話されているのか。芸術のフランスでもあるが、もともと罪作りな国なんですね。フランスの移民問題は根が深いです。こういう視点から今一度、映画『パリ20区、僕たちのクラス』なんかを見直すと面白いかも。 
世界地図
<地図上○は諸島を示している>


車内18385789_w434_  監督:ジャン=リュック・ゴダール|フランス|1960年|88分|原題:Le Petit Soldat|
  脚本:ジャン=リュック・ゴダール|撮影:ラウール・クタール|
  出演:ミシェル・シュボール (ブルーノ)|アンナ・カリーナ (ベロニカ)|アンリ=ジャック・ユエ (Jacques)|ポール・ボーベ (Paul)|ラズロ・サボ (Laszlo)





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