映画「ローズ・イン・タイドランド」  監督:テリー・ギリアム

草原
人形顔 人形  
                         人形 3

誰でも心の中に、いくつかの顔を持っている。
そのどれかが、つぶやき、次の瞬間、別の顔が「そうじゃないでしょ!」と異を唱える。めったに顔を出さない顔もある。

ローズと野原  10歳の少女ローズの心には5人のローズがいて、うち4人を4体のバービー人形に割り当てている。心の葛藤を内在化しないで済む、うまい心の発散方法だ。バービー人形に体はいらない、ローズは人形の顔だけでいいらしい。
  いつもいい子に振る舞うが、彼女の家庭事情は滑稽で過酷だ。いつも4つの顔と一緒にいないと、ローズは心のバランスが崩れローズでいれなくなる。一見、少女のひとり遊びのようにみえるが、それ以上に深いんだ。

父  父さんは元ミュージシャン、ハードロックのリードギター&ボーカルだった。母さんは昔は美人だったかもしれない。父さんも母さんもドラッグづけの毎日。注射の準備をして上げるローズ。父さんは、ローズに『不思議の国のアリス』を読んでもらって毎晩眠りにつく。母さんはいつもベッドの上でチョコとドラッグの毎日だ。とうとう、母さんは薬で死んじゃった。
  父さんはローズを連れて、自分が育ったテキサスの田舎に帰ることにした。着いてみると、野中の一軒家は廃屋になっていたが、ここに住むことになる。だが、今度は椅子に座ったまま父さんが死んじゃった。父さんはいつもドラッグで天国に行って楽しんでいるので、ローズは本当に逝ったことに気付かない。腐臭がしだす。彼女はお腹がすく。

  野に出た。広々とした草原はローズを落ち着かせ、同時に好奇心をくすぐり、開放感を与え、不安におとしいれる・・・。だからか、例の4つの顔がそれぞれ言いたい放題。それをいさめるローズ。

デルと父  近くに住む、怪しげな女デルと、その弟ディケンズに出会う。デルは昔、父さんを愛していた。その死を悲しみ、デルは父さんを剥製にした。デルの家でご飯に呼ばれた時、デル、ディケンズ、ローズ、そして剥製父さんが席に着く。そんなことで剥製父さんはデルの住人となった。

ディ  ディケンズとは遊び友達になった。彼が密かに作った潜水艦も見せてくれたし、草原は実は海で、草原を泳ぐ方法も習った。デルには極秘にしてくれと、念を押されてディケンズが持つダイナマイトも見せてくれた。ダイナマイトは、線路を伝って時折やってくる巨大なドラゴンをやっつけるために用意している。ローズはディケンズが好きになる。

列車脱線





  そんなある夜、大地に響く大轟音! 丘の向こうの夜空が赤々と大きく揺らめいている。ローズが野原を大急ぎで横切って丘に立つと、そこに見えた光景はなんと! 列車が脱線、転覆し火災を起こしていた。列車のそばで呆然としているローズ。それを見ていた乗客の女性は、彼女を救おうとする。ローズはクレージーな、この世界を後にするつもりなのだろうか・・・。

予告編です!
予告編 決め
https://www.youtube.com/watch?v=Zi-g_c3RUlA
 
ローズ 3


監督・脚本:テリー・ギリアム|イギリス、カナダ|2005年|117分|原題: Tideland
原作:ミッチ・カリン|撮影監督:ニコラ・ペコリーニ
出演:ジェライザ・ローズ&人形の声(ジョデル・フェルランド)|ローズの父親(ジェフ・ブリッジス)|ローズの母親(ジェニファー・ティリー)|デル(ジャネット・マクティア)|ディケンズ(ブレンダン・フレッチャー)|デルの母親(サリー・クルックス)

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無題 (2)


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