映画「二階の他人」  監督:山田洋次  出演:葵京子

階段2











  ほろ苦いコメディ。
  当時は、まだまだ、「他人」との距離が近い時代だった。

家をプラン



戸建を建てる
  葉室は、部長の秘書をしていた明子と社内結婚。結婚してすぐに注文住宅を建てた。住みやすい理想の間取り。新しく宅地開発された丘陵地帯の、丘のてっぺんに近い。駅から歩く、坂や階段をあがる。周りには、まだ家が建ってない土地が目立つ。でも裏の家は地元のお巡りさん一家が住んでるんで安全だ。ただ道路は舗装されてない。雨降れば、道がぬかるんで長靴が必需品。
  当然、借金した。二階建てにして、二階を他人に貸そう。そうすれば毎月、家賃を返済にまわせる、こういうアイデアだった。そして足らない分を葉室の兄から20万円借りた。この金を兄から借りれた言い訳は、「基本的には兄さんが母さんの面倒をみるんでしょうが、何かあれば私が面倒をみます」 兄と母さんは相性が悪い。


最初に二階を間借りした夫婦
  小泉夫婦。旦那は学生運動くずれで無職。葉室に職を紹介されるが、そもそも働く気はない。妻は夕方、和服姿で出勤だ。だから小泉夫婦は昼間、だらだらしている。
  二階に台所は無い。だから、この夫婦は、まかない付き(食事付き)。そして葉室家に風呂は無い。近所に銭湯があるので浴室は予算上カットした。
最初の間借りww  ある日突然、葉室の母さんがやって来た。来たはいいがこの母さん、することがない。二階に上がって小泉夫妻と三人で昼間っから花札に熱中。いい遊び相手ができた。
  しっかし、小泉夫婦は家賃を払わない。滞納している。催促は、はじめ控えめにしていたが、そのうち葉室は、はっきり言うようになり、ついに小泉を殴る。やっと出て行ってくれた。
  後で分かったことは、小泉夫婦はこうやってあちこちの家で家賃滞納を重ねて日々をしのいでいた。そして長居した母さんも、ひっそり帰って行った。


2番目の間借りした夫婦
  来島夫妻。音楽評論家らしい。引っ越し家具を見てびっくり。オーディオ機器、冷蔵庫と、随分お金持ちな感じ。玄関にかけた来島の表札が、葉室家の表札より大きく立派。来島は葉室にこれで浴室を作ってくれと10万円をポーンと渡して頼んだ。またもやびっくり。
親子www  増築工事が終わり今日が初風呂というその日に、母さんがまたやって来て、彼女が初風呂の一番風呂を堪能した。
  母さんの今回の登場は、葉室家3兄弟が集まり大きな議題となった。今後、兄弟の誰が母親の面倒をみていくのか。横で聞いていた母親は、たらい回しされる自分が情けなく思わず席をたった。結局のところ、兄が貸した20万円を返せという話になった。
  兄に返す20万円、葉室は悩んだ末に来島から20万円借金することにした。来島は快く貸してくれた。
逮捕www  しかし羽振りのいい来島にはわけがあった。彼がいた職場から多額の金を横領していたのだ。そしてその筋から脅しが入っていた。そして葉室家に警察が入って来島夫婦は逮捕される事件が起こる。葉室は借りた20万円そして浴室増築10万円、どうしたものか、自分にも調べが入るだろう・・・。
  さて新婚間もない葉室夫妻はどういうことになってしまうんだろうか・・・。

  家を建てて良いことはあったが、他人に貸して良いことはない葉室家だが、貸さないと回らない。次に借りてくれる人はどんな人だろうか。


監督:山田洋次|1961年|松竹|56分|
原作:多岐川恭|脚色:野村芳太郎・山田洋次|撮影:森田俊保|
出演:小坂一也 (葉室正巳)|葵京子 (葉室明子)
高橋とよ (母・とみ)|野々浩介 (長兄・鉄平)|穂積隆信 (次兄・信哉)
平尾昌晃 (小泉久雄)|関千恵子 (小泉晴子)
永井達郎 (来島泰造)|瞳麗子 (来島葉子)
峰久子 (次兄・信哉の妻)|山本幸栄 (遠藤巡査)|水木凉子 (遠藤貞子)|須賀不二男 (三田村部長)|水上令子 (三田村の妻)|白川慶子 (三田村の女中)|今井健太郎 (男)|末永功 (葉室の会社の同僚)
かさ







こちらで山田洋次監督の作品をまとめています。
サム2


【 一夜一話の歩き方 】
下記、クリックしてお読みください。

写真
写真
写真
写真
写真
関連記事
やまなか
Posted byやまなか

Comments 0

There are no comments yet.

Leave a reply