『過去カラ来タ未来』 アイザック・アシモフ著

1899年に100年後の西暦2000年を夢想したフランス人のイラスト集。
これにアイザック・アシモフ(1920~1992)が1986年に注釈を加えた本。
アシモフが、後世に手渡したイラストを、25年後に見る2010年の私たち。
(アイザック・アシモフとは? Wikipediaへ)

表紙のイラストは「街角のエアーターミナル」
表紙IMGイラストの左端のエアーターミナルには、羽根を折り曲げて出発を待つ飛行物体が2機。
右の1機はどこかから帰って来てターミナルに到着するところ。
どうやって着陸するのか??昆虫のようにだろう。
機首にプロペラが回っているのが見える。黒い服を着た飛行士は機体後方で操縦している。
まるで馬車の御者のようだ。
ライト兄弟が動力飛行に成功したのは、イラストを描いた1899年の4年後の1903年。







未来2IMG次のイラストは教室風景。
右側で書籍を次から次へ「機械」に入れてハンドルを廻している。
どうやら、この「機械」は書籍を電気信号に変換するらしい。
信号化した書籍の内容は、学生達のヘッドホーンに流れている。


このイラストについてのアシモフの1986年の注釈は、あいまいだ。
(引用開始)「こんなことは現在でも無理だし将来も可能性はなさそうだ。(中略)ただ2000年までには(中略)情報の蓄積・分配のためにコンピュータがますます利用されるはずだ。」(引用終わり)
2010年から見ると、Googleだ。

ところで鉄腕アトム。
原作の公式設定では、2003年4月7日がアトムの誕生日ということらしい。
手塚治虫氏が1950年台に着想し、21世紀向けて投げられた物語を
今、2010年の我々は受け取る立場にいる。

アトムもこの『過去カラ来タ未来』についても、
合っている間違っているという、矮小化した問題ではない。

未来までの距離は近くなったのか?



【イラスト一覧】・・・・空と海についてのイラストが断然に多いことが分かる。

SOS!グライダー発進せよ!
ヘリコプターから偵察中
街角のエアー・ターミナル
飛行船の参戦―ウィークポイントはガス袋
いたずらなエンジェル
密輸業者を追跡せよ
青き空、血色のしずく、弾け飛ぶ
飛行機野郎のごひいきカフェ
ハンティングはお好き?
みんな大好き、愉快なレース
のどかな光景―渋滞のない空の旅
未知の土地へ―探検家の乗り物
羽を背負って、いざ仕事!!
旅の乗り物―海外旅行編
いなせなミスター・ポストマン
ある日の飛行機事故
深海にモンスター現る
海底ゲートボール大会?
サカサマ生活
ようこそ、潜水定期船へ
森のお散歩―海底編
鯨のバスと一人乗り海馬
ディナー・パーティーにはピルをどうぞ!
はいからなモデル・キッチン
ボタンを押せば、ハイ出来上り!!
教師より機械の声が響くとき
レディーの秘密―プライベート・エステティックサロン
家事ロボット待望論
自動演奏交響楽団がやって来る
顕微鏡から怪物が!
ラジオでニュースを
ビジネスマンの必携アイテム
機械の織りなす農村風景
スピード・ヒヨコ・メーカー
あこがれの南極旅行
ユカイな高速ボート?
戦闘車はでくのぼう
"快適"移動住宅
"珍獣"!!!"馬"
平和のために

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『過去カラ来タ未来』 アイザック・アシモフ著 発行所:パーソナルメディア(株)
1988年12月15日発行

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やまなか
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