映画「ラスト・ホリデイ」  監督:アミール・カラクーロフ

トップ キャプチャ  メーデー111

  高校生達10数人が、誰かのアパートに集まって呑んでいる。女子も2人混じっている。ハッパを吸いまわしている。チョイ悪ぶりたい年頃だ。
  酒、たばこが無くなってしまう。ワーレルカ、カリム、ジェーカの3人が買いに出る。といっても真夜中だ。店は開いてない。ホテルのラウンジに侵入し、上等な酒やたばこ、キャンディ、照明器具、ベースギターを盗んで戻って来た。

  翌日、ワーレルカの父親が学校に報告した。さっそく刑事が来て、ワーレルカは窃盗現場のホテルに連行され、状況説明を要求される。一瞬の隙を逃さずワーレルカが逃走。しかしホテルの廊下で捕まり、殴る蹴るの過分のリンチを受けた。刑事たちはぐったりした彼を車に乗せ、山間部の道路脇にワーレルカを密かに捨てた。彼の父親は義父で、日頃からワーレルカの存在が目障りだったらしい。
  父親の行為に怒ったカリム、ジェーカの2人は、乗り合わせたエレベータ内で、ワーレルカの父親をナイフで刺し殺してしまう。

キャプチャ ワレーカ 死  どれほどの時間、そこに横たわっていたのだろうか。意識が回復したワーレルカは、なんとか街までたどり着き、電話ボックスからカリム、ジェーカに電話した。2人はポンプ小屋にワーレルカを隠し、食事やたばこをすすめるが容体が悪い。カリム、ジェーカの留守にワーレルカは、ひとり息を引きった。

  悪仲間が校庭の隅でタムロしている。カリムは朝からジェーカを長い時間待っている。行進練習があるからと教師に注意されカリムほかみんなは、仕方なく行進の列に加わった。

キャプチャ 電話連行  ジェーカが、ワーレルカの父親を刺したのだ。彼は眠れぬ夜に耐えられず、今朝、自ら警察に電話し連行されていった。 
 
  カザフスタン共和国が、ソ連(ソビエト社会主義共和国連邦)の一構成共和国であった時代、1979年の話。国名をカザフ・ソビエト社会主義共和国といった。
  映画冒頭は、赤一色のパレード、メーデーの祝賀行進が華々しく映し出される。ラストシーンの行進練習は、このパレードのためだろう。
  政治の表側と、人々の実生活に鬱積する感情、そして青春期の憂いに端を発する漠とした反抗。こう言ってしまうとありきたりだが、当時のこの国の状況を考えてみたい。
  ま、しかし、そんなことを考えなくても、純粋無垢な青春映画になっている。

キャプチャ 行進校庭111


原題:Last Holiday|
監督:アミール・カラクーロフ|カザフスタン・日本|1996年|65分| 
脚本:アミール・カラクーロフ、エレーナ・ゴルジェーバ|撮影:ムラット・ヌグマノフ|
プロデューサー:佐野伸寿監督|
出演:サンシャール・イスカコフ|シャルバ・ゴーゴラゼ|アナトリー・ガプチュク|ほか



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