映画「シチリア!シチリア!」   監督:ジュゼッペ・トルナトーレ

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  残念な映画だ。
  矢継ぎ早に映像が、せわしく展開する。
  151分の映画全編を早送り再生で観ている感じ。
  ストーリーよりも、映像が前に出てきて、語ろうとする。その語り口が味気ない。

家族  1930年ごろの、イタリアのシチリアにあるバーリアが話の舞台。
  主人公ペッピーノは小さい頃から働いて稼ぎを得る元気な少年だった。大戦を経て青年となったペッピーノは美しいマンニーナと結婚する。ペッピーノは徐々に政治の世界で生きるようになって行く・・・。 この島の観光は楽しめる。

  シチリアの歴史の、大きな流れを描こうとしているが、雄大さや深みが感じ取れないなあ。


サブ原題:BAARIA|
監督・脚本:ジュゼッペ・トルナトーレ|イタリア|2009年|151分|
撮影:エンリコ・ルチディ|
出演: フランチェスコ・シャンナ (ペッピーノ)|マルガレット・マデ (マンニーナ)|リナ・サストリ (タナ)|アンヘラ・モリーナ (サリナ)|サルヴォ・フィカッラ (ニーノ)|ヴァレンティノ・ピコーネ (ルイジ)|ルイジ・ロ・カーショ (物乞いの息子)|ニコール・グリマウド (サリナ(少女時代)|ミケーレ・プラチド (共産党代表)|ラウル・ボヴァ (ローマの新聞記者)|ガエタノ・アロニカ (チッコ)|モニカ・ベルッチ (レンガ職人の恋人)|




  移り変わリ行く時代の大いなる流れを、封じ込めた映画は、いくつもあった。
  一夜一話で取り上げた映画で、思い当たるものを5本あげてみる。どれもお薦め映画です。

 「エルミタージュ幻想」
  90分ワンカットの映像で、元宮城・エルミタージュ美術館全館を使って、ロシア近世近代300年の各時代の宮廷史を、猛スピードで再現する劇映画。豪華絢爛。
  監督:アレクサンドル・ソクーロフ|2002年|ロシア/ドイツ/日本|96分|
  
 「旅芸人の記録」  
  この監督の代表作。寡黙ながら雄弁な映画。映像で語るスタイル。
  第2次世界大戦が勃発した1939年から1952年までの14年間のギリシャを、生き残るために右往左往する旅芸人たちの目線で描かれている。14年間とはいえ、他国からの侵略・占領と、政治的内戦が幾重にも重なって時が、大きく揺れ動きながら過ぎる。一座にとっても波乱と忍耐の時代であった。
  監督:テオ・アンゲロプロス|ギリシャ|1975年|240分|

 「フルスタリョフ、車を!」 
  観る側が無防備だと、ぶん殴られる乱暴な映画。スターリンが息を引き取る前の、1年間ほどの間の話だが、映画一本に描き込める上限をはるかに越えた情報が詰め込まれている。特にお薦め映画です。
  監督:アレクセイ・ゲルマン|ロシア、フランス|1998年|142分|

 「アンダーグラウンド」 
  実に楽しませてくれます。映画の方から、もっと「乗ってくれ」とあおってきます。ボスニア・ヘルツェゴヴィナ問題に代表される旧ユーゴスラヴィアにおけるさまざまな混乱の戦後50年を、怒涛のように疾走する映像絵巻。時は1941年、セルビアの都市ベオグラードにナチス・ドイツが侵略し始めた。第一章「戦争 (Deo Rat)1941年」、第二章「冷戦 (Deo Hladni Rat)1961年」、第三章「戦争 (Deo Rat)1992年」
  監督:エミール・クストリッツァ|フランス、ドイツ、ハンガリー|1995年|170分|

 「牯嶺街少年殺人事件(クーリンチェ少年殺人事件)」  
  混乱を乗り越えて、新しい時代を築こうとする当時の台湾の人々の苦悩が描かれている映画。なにしろ4時間映画ですから、物語るその量はとても多いです。映画の中では時間がゆったりと、とうとうと流れています。この流れに身をゆだねてみましょう。
  監督:エドワード・ヤン|1991年|台湾|237分!(完全版) 

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やまなか
Posted byやまなか

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