映画「勝手にしやがれ 」  監督:ジャン=リュック・ゴダール

喫茶店

  半世紀前の映画だが、今でも新しい。

はじめ  ミシェル(ジャン=ポール・ベルモンド)は、盗んだ車で意気揚々と田舎道を疾走。ご機嫌だ。ダッシュボードにあった拳銃を見つけ、子供のように遊んでいる。張り込み中の白バイに追われるが、脇道でその警察官を殺ってしまう。しかし射殺のシーンは、藪の中で人らしき影が倒れるほんの一瞬見せるだけだ。殺人を露わにしない。
  パリに着いても、あちこちで路上駐車の車を、とっかえひっかえ盗む。余りにも大ぴらな犯行だ。この時点でこの映画は寓話だと分かる。寓話にすることで自由な表現の場が得られた。もちろん時は1959年、フランスが背負い込んだ事の重さ、同時に若い連中の持って行く先のない憂いに端を発する、漠とした反抗心がバックグラウンドにある。
  一方、ミシェルの恋人パトリシア(ジーン・セバーグ)は米国人で現実的、自身のキャリアアップに懸命だ。この対比が面白い。

歩道  映画を俯瞰すると、「寓話」と「パリの街の写実」が織りなす綾が、実に絶妙だ。白昼夢と言える。かつ絵が本当に美しい。
  サスペンスや感情移入系の映画じゃない。ビジュアル志向で感覚派向きの映画だろう。古臭い映画評論なんかを先に読んでしまうと、せっかくの映画がつまらなくなってしまうので、よそう。



あやしい  タイトル  歩く
↑ 新聞で顔を隠して街を歩く姿は、私は怪しい者ですと言っているようなもの。コミカルシーンもある寓話だ。

部屋にて  シルエット  はっと
なんといってもジーン・セバーグがかわいい。

車夜  夜景  車2
当時のパリの夜は、アメ車が似合う。       この頃の夜の街の暗さは、なんか柔らかい。

読む  エスカレータ  座席
                                              うせろ


ポスター


原題:A BOUT DE SOUFFLE|英題:BREATHLESS|
監督:ジャン=リュック・ゴダール|フランス|1959年|95分||
脚本:フランソワ・トリュフォー|撮影:ラウール・クタール|
出演:ジャン=ポール・ベルモンド (ミシェル・ポワカール・別名ラズロ・コヴァクス)|
ジーン・セバーグ (パトリシア・フランキーニ)|
ダニエル・ブーランジェ (ヴィダル刑事)|ジャン=ピエール・メルヴィル (作家パルヴュレスコ)|ジャン=リュック・ゴダール (密告する男)|アンリ=ジャック・ユエ (アントニオ・ベルッチ)|


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