「鏡花・百物語集」 文豪怪談傑作選~特別編 ちくま文庫
2012年08月23日 公開

夏のある夜、寂しい屋敷や吉原などで、「怪談会」がその昔よく催された。(明治から大正年間)
招待されて集まってくるのは、名だたる文豪や画家、芸者や政治家、新聞記者といった一癖ある連中だった。幹事はいつも泉鏡花、無類のの怪談好き小説家だ。
それぞれが持ち寄った選りすぐりの怪談話を、夜を徹して披露しあうのである。話す、聞くだけではなく、怖い仕掛けも用意されていた。準備には、例えば、本物の古い卒塔婆(そとば)を苦心して手に入れたり。そういう会の裏表の実況中継が記されたの本書です。怖いです。 さらりと読めます。(当時発行されていた芸能紙「都新聞」連載)
また泉鏡花の作品「浮舟」「露萩」なども収められている。
怪談会常連客:泉鏡花、久保田万太郎、芥川龍之介、菊池寛、柳田國男、里見弴、などなど
ちくま文庫 2009年発行 東雅夫編
<目次>
怪談精霊祭
恋物語(抄)
浮舟 (小説:泉鏡花・著)
怪談の会と人
向島の怪談祭
友人一家の死(小説:松崎天民・著)
怪談会点景
怪談聞書
露萩 (小説:泉鏡花・著)
怪談 (小説:平山蘆江・著)
怪談会
幽霊と怪談の座談会
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