映画「パリ・ルーヴル美術館の秘密」  監督:ニコラ・フィリベール

top壁

  NHK日曜美術館じゃない。
  映画の主役は美術ではなく、ルーヴル美術館というハードウェアだ。
  ぼんやり眺めるように観るのが鑑賞のコツ。

館内  キーンと張りつめた静かな巨大空間。永遠に続くかのようなモザイク模様の廊下。数えきれない窓 (2400窓、・・・やればできる)。
  地下深く降りていく、狭いトンネル階段。靴音を石組の壁に反響させながら下る、薄暗いその先に、膨大な作品を収納する収蔵庫がある。収蔵点数30万点。地下道15キロ。ハリー・ポッターのホグワーツ魔法魔術学校内を行き来する幽霊がいそうだ。
  展示スペース3万平方メートル。それでも永遠に日の目を見ない、お蔵入り美術品のほうが多そうだ。


sab  展示替えには総動員だ。美術品の入出庫、移動、展示。力仕事が多い。台車とロープ。意外に粗雑。もちろん学芸員の指揮命令で様々な職種の人々、様々な国の人々が動くわけだが、学芸員のいい加減さも味がある。そこには、上下の階級の差を感じるが、これが今のフランスを現してもいる。
  ルーブル職員1200名。守衛375名、学芸員54名。
  技術者系は、電気技師、大理石工、展示壁などのペンキ職人、額縁の金箔師、機械工など105名。さらには、絵画修復師、物理学者、化学者、職員食堂の調理人、美術品のほこり・館内全般・庭・ガラスのピラミッドなどの清掃係、美術品撮影写真家、医師、ソーシャルワーカー、消防士、庭師がいる。
  美術館で働く図鑑と言ってしまえば、みもふたもない。しかし、主役はルーヴル美術館というハードウェアだ。

移動   展示準備

階段原題:LA VILLE LOUVRE|

監督・脚本:ニコラ・フィリベール|フランス|1990年|85分|
撮影:ダニエル・バロー、リシャール・コパン、フレデリック・ラブラス、エリック・ミヨー|
出演:ルーヴル美術館職員

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やまなか
Posted byやまなか

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