映画「暁の合唱」 監督:枝川弘 1955年
2013年02月16日 公開

昭和30年当時の日本の田舎で、のんびりしたい人、どうぞ。 もちろん、若き香川京子を愛でたい方へ。

父親は農耕馬の売買を業としているが家計は厳しい。義母に連れ子の銀二郎(子役時代の石橋蓮司!)がいて、朋子は実の弟のように可愛がっている。そして、義母に子ができた。
朋子は大学進学を目指して勉強してきたが、自分の進路が腑に落ちない。受験当日、路線バスの乗り換え停留所で、朋子は進路を変更した。映画はここから始まる。
この乗り換え停留所には、路線バス会社・東光自動車の小さな社屋がある。木造二階建て。その玄関先に女子社員募集の看板が出ていた。朋子はこれを見て進路を決めたのだ。さっそく採用される。
バスの新米・車掌になるが、朋子は給料が高い運転手希望だ。そのためには、バスの修理もやるし運転免許の勉強もしている。

オーナーはこの町の映画館もやっている。甥の三郎(根上淳)にマネジメントさせている。
あと、残る登場人物は、バス運転手・浮田(高松英郎)だ。インテリで朋子に免許取得の勉強を教えている。
話は、バスの乗客のドラマを交えながら、朋子、米子、三郎、浮田の四人の話が展開します。
放蕩息子的で臆病な映画館の三郎は、朋子に「も」気があり、米子は浮田に浮いている。さて、この四人の恋路はいかがなことになりますやら。
取り立てて、どうこうの無い、牧歌的なお話です。
ところどころ、少々道徳の時間のようなセリフがあります。
この時代、まだまだ中卒が多かった時代だったかと思います。大学進学とは驚きです。

「秀子の車掌さん」はとってもいい映画なので、次回観る機会があれば一夜一話にあげたいと思います。この映画から20年経った1961年の映画「雲がちぎれる時」。監督は五所平之助、田舎バスの車掌は、倍賞千恵子でした。高知の田舎バスですがたしか県営バス。あ、なんか川本三郎みたくなってシマッタ。

原作:石坂洋次郎|脚本:八住利雄|撮影:板橋重夫|
出演:香川京子 (斎村朋子)|見明凡太朗 (実父・斎村兵吉)|竹里光子 (義母・斎村美代)|石橋蓮司 (義弟・斎村銀二郎)|根上淳 (映画館の小出三郎)|小沢栄太郎 (オーナー社長・小出信吾)|高松英郎 (バス運転手・浮田隆)|伏見和子 (バス会社事務員・山辺米子)|半谷光子 (吉江とみ子)|守田学 (萩村)|酒井清子 (映画館の女みどり)|青島純子 (花塚駒子)|橘喜久子 (附添の女)|菅井千鶴子 (中年の女)|宮島健一 (田辺巡査)|直木明 (試験場の教師)|酒井三郎 (朋子に自転車を強奪された郵便集配人)|北林谷栄 (バスの乗り合わて出産を手伝う老婆)|

【 一夜一話の歩き方 】
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