映画 『幽霊繁盛記』 1960 監督:佐伯幸三

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出演:フランキー堺(葬儀屋)、香川京子(医者の一人娘)、有島一郎(死神)、柳家金語楼(著名な医者)、左卜全、森川信、大村千吉ほか

三遊亭圓朝の古典落語『死神』をもとに展開する。
寿命はロウソクの残りの長さというあたりは、ちょいとヨーロッパ臭いがそこはそこ。
圓朝が西欧の死神話から話を持ってきて作った『死神』なので。
死神役の有島一郎が抜群にいい。こういう役、「いかにも」でなくてはならず、さりとて陳腐は勘弁と難しい役どころ。有島はそのあたりを突き抜けていて、さらに有島らしい味。うまい!
フランキー堺は食われちゃった。ははは。
ところで、この映画に幽霊は出てこない。

葬儀屋に奉公しているフランキー堺は香川京子と恋仲、しかし医者の娘が葬儀屋と夫婦になるなど、土台無理と父、金語楼は断固反対し大店の倅との結婚を勝手に決めて進める。さあ大変、フランキーは葬儀屋の旦那にのれんわけを願うが、出て行け!と店を追い出される。それならと自宅の長屋を葬儀屋にして開業。香川は家を飛び出して長屋に住まう。しかし商売そううまくは運ばない。いっそ、橋から心中と欄干に体を寄せるその時!死神が現れる。「おまえら死ねない、なぜならまだ寿命があるから」ひょんなことから死神と知り合い、死神もふたりの生活を助けようとひらめく。もうすぐ死ぬ人の後ろを私はついて回る、これをもとにフランキーは誰よりも速く営業し商売繁盛。そのうち子が宿り、金語楼は言う「身分低い葬儀屋は人別帳には載らない、子供もそうだ」悩んだフランキーは「そうだ医者になろう!」そして死神は言う「私が枕元に座れば死んでいくが、足元に座れば生き返る」これをもとに医者家業は大大成功大繁盛。しかしそんな成り上がり風をふかす夫に香川はいらだつ「もとの葬儀屋がいい」
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( ← )そんなある日、家で倒れた拍子に嫁の香川の体調が急に悪化。床に寝かし、ふと見れば死神が嫁の枕元に!!フランキーは医者なのに何も出来ない。すかさず思い着くは線香の煙が睡眠薬の死神の弱点を突いて、眠りに落ちた隙に嫁の布団を一回転して死神が足元に来るように。そして知らぬ金語楼は娘を診断し手当てをする。一難去ってまた一難。今度はフランキーが急に倒れこむ。・・・深い闇、死神がフランキーを案内する、ロウソクの炎が無数に点滅する洞窟。お前のロウソクはこれだ。えッ!死神がいなくなった隙に、フランキーはあたらしいロウソクをちびた自身のロウソクと差し替える、ついでに嫁のロウソクも新しいものととっ替える。途端に娑婆で息を吹き返すフランキー。数日後、やっぱり葬儀屋が自分に一番向いていると、商売を再開。めでたしめでたし。



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