映画「カンバセーション…盗聴…」 監督:フランシス・フォード・コッポラ
2013年04月08日 公開

盗聴機材を積み改装したバンの車内から外の様子を見るハリー。

自分の仕事に、良心の呵責を感じ悩む、そして神に許しを請う。そんな悲しい男がいた。
彼の仕事は盗聴。依頼人が指定した人物の会話を傍受し、録音/編集したテープを作成する仕事だ。傍受には最新技術と電子機器を駆使し、計画と実行力と機密保持が試される。
主人公・ハリー・コール(ジーン・ハックマン)は自分の仕事に誇りと自信を持っていた。ニューヨークで名をあげ活躍していた彼は、ある仕事でつまずいた。依頼された盗聴テープを依頼人に渡した後に、その盗聴ターゲットの関係者に死者が出た。この事件は、ハリー・コールに何の責任もなかったが、このことが盗聴という仕事に良心の呵責を感じるきっかけとなった。
そして心機一転、ハリー・コールはウエストコーストに仕事の拠点を移した。
人気のない地区にある古いビルの、広いワンフロアーまるまるが彼のオフィスだ。とはいっても、盗聴/録音機材が置いてある場所は、フロアの極々一画である。あとはガラーンとしている。このオフィスで仕事をしているのは当のハリー・コールともう一人の男だけ。機密保持のための厳重な態勢のようだ。



その結果、ハリーは依頼人から「それ以上踏み込むな」という脅しの電話に受け、ある録音を聞かされ驚愕した。盗聴のプロが隙を突かれた。ハリーが電話口で聞いた録音は、自宅で彼が吹くサックスの音。ハリーの唯一の趣味は、自宅でジャズをひとり楽しむことだった。
受話器を置くや否や、彼は自宅に仕込まれた盗聴マイクを捜し始める。仕掛けていそうな定石の場所をチェックしたが見つからない。無我夢中ですべての壁板と床板をはがしたが、やはり見つからない。徐々に壊れゆく彼の心は、彼の思考を停止させる。そして無意識のうちにジャズサックスを奏ではじめるのであった。

独特の気風を持ついい映画。サスペンス映画ジャンルに押し込んでしまうには、あまりにも近視眼。

オリジナル・タイトル:The Conversation
監督・脚本:フランシス・フォード・コッポラ|アメリカ|1974年|113分|
撮影:ビル・バトラー|
出演:ジーン・ハックマン|ジョン・カザール|アレン・ガーフィールド|フレデリック・フォレスト|シンディ・ウィリアムズ|ハリソン・フォード|テリー・ガー|ロバート・デュヴァル|
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