映画「同じ星の下、それぞれの夜」 監督:富田克也、冨永昌敬、真利子哲也
2013年05月08日 公開
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沖縄の映画、なかなか傑出した作品が、生み出せないでいる。今後はウチナンチュー監督の作品に期待したい。
で、本題。
東南アジアに目を向けると、各国で優れた監督が生まれている。一方、日本と東南アジアを結ぶいい映画が、日本発で生まれてこなかった。こういった映画、製作者の、東南アジアへの見識が試される。
さて、「同じ星の下、それぞれの夜」は、どうだろう。
「チェンライの娘」
監督:富田克也 (空族)
タイでのお話。バンコクのストリートで出会った、ご商売のふたりの女の子と一緒にチェンマイへ遊びに行き、旅は道連れ行きがかりの苦難の末、ふたりの故郷・チェンライまで行く。チェンライは、ミャンマー、ラオスと国境を接するタイ最北の地、少数民族も多く住む。
主人公の男、妻子はいるが仕事が続かない、そんな自称俳優。怪しげな広告モデルで首の皮、一枚。時に落ち込む。 「タイ、行ってみれば!」ってな事で、事務所から小遣いもらってタイへ。

バンコクに着いてみると、ウハウハ天国ってなことで、そんで僕はお金持ちってなことで話は始まるが、同行のふたりの子にチェンマイで薬を飲まされ、身ぐるみはがされる。がしかし、財布から出て来たカードはTカードだけ。どっちが怒っても不思議はない状況だが、タイの女の子が怒りまくる。
さて、ここいらから男と女の子たちとの立場が逆転、さて顛末はどうなりますやら・・・。
「ニュースラウンジ25時」
監督:冨永昌敬
舞台は、フィリピンはマニラと東京。アジアのニュース番組の総合司会をする男と、マニラ駐在のニュースキャスターの女の話。
ふたりがともに東京勤務だった頃に愛し合い結婚を誓ったが、彼女がマニラに転勤してから、かれこれ3年。関係がどんどん希薄になっていく。そういう不満がたまる女。男は、うっとうしさと問題の先送り。
女は取材中にフィリピンを襲った大型台風で海に流されかける。カメラマンに助けられ、九死に一生を得る。そのことを言わない女。知りようもない男。
「いやなら、来なくていいのよ!」という女。重い腰を上げて、ついにマニラへ向かう男。さて、このことがきっかけで男は目覚めるが、彼女の気持ちをこちらに向けるに、男はある奇策を講じるのであったが・・・。
「FUN FAIR」
監督:真利子哲也
マレーシアでのお話。時はお昼。夕方の便で日本に帰国予定の会社員が、この残ったフリーの時間にマッサージに行こうと、ホテルを出てそんな街に着いた。さて・・・と突っ立ていると、幼い女の子が子ヤギを連れているのが目に入った。ここから始まる、この小さな女の子と、ヤギさんと、トライシクルの男、そして日本人会社員の、子ヤギを探して、FUN FAIRを探しての、おとぎ話です。

うーん、どれもイマイチ。
日本の現状認識を踏まえながら、片方で彼の国にどう接するか。そう考えると、はじめの映画「チェンライの娘」がギリギリラインか。主人公男性の売春ツアー、そしてその相手の、あのふたりの女の子に映画は何を託したのやら。二番目の「ニュースラウンジ25時」は、脚本フォーマットにお行儀よく収まっている感じ。そして特にマニラでなくても・・・。最後の「FUN FAIR」、ちょっと勘弁してよ・・・。
下に、「ミャンマー映画」を少し取り上げる。ミャンマー映画はまだ、国際感覚を持ち得てない。
一方、「同じ星の下、それぞれの夜」の国際感覚の欠如って、実に悲しいな。
監督:富田克也、冨永昌敬、真利子哲也|日本|2012年|合計110分|
(チェンライの娘)
出演:川瀬陽太、Ai、スシットラポン・ヌッチリ、クリサナー・オビ、富田克也、相澤虎之助、レイザーラモンRG|
(ニュースラウンジ25時)
出演:ムーディ勝山、阿部真里、西方凌、森松剛憲、今橋貴|
(FUN FAIR)
出演:山本剛史、スン・ジェニー、アズマン・ハッサン、ディーチャイ・パウイーナ|
富田克也監督の映画
冨永昌敬 監督の映画
ミャンマー映画祭 2013
ミャンマー映画祭実行委員会
ミャンマー映画祭実行委員会による本映画祭は、回を重ねているらしい。
今回、はじめて観に行ってみた。
まず初めに、彼の国の映画スタッフに対して今後を期待したい。
国内向けに需要が拡大しているであろうTVドラマ製作だけではなく、ミャンマーとして世界に出て行こうとする気概ある人材の輩出を、一映画ファンとしては望みたい。
また、ある程度の文学的土壌あっての映画、だと感じる。
映画発だけではなく小説発の物語を物語って欲しい。ミャンマーのあやつり人形劇を観たことがある。あのジャンルから新しい物語が始まってもいいとも思う。
<上映作品>
「彼女にバレないように」 2012年
原作:ミャシティ|脚本:ティハソウ|監督:ワイー|主演:ネイトウ、エインダラチョウジン|
「あの世へ1.4キログラム」 2009年
脚本:ミウウミン|監督:ネイパイ|主演:ルメイン、ナワラ|
<洋画>
◆題名で探す こちらから
◆国名で探す こちらから
<邦画>
◆題名で探す こちらから
◆監督で探す こちらから
◆観たい映画、気になる映画は、こちらから どうぞ

沖縄の映画、なかなか傑出した作品が、生み出せないでいる。今後はウチナンチュー監督の作品に期待したい。
で、本題。
東南アジアに目を向けると、各国で優れた監督が生まれている。一方、日本と東南アジアを結ぶいい映画が、日本発で生まれてこなかった。こういった映画、製作者の、東南アジアへの見識が試される。
さて、「同じ星の下、それぞれの夜」は、どうだろう。
「チェンライの娘」

タイでのお話。バンコクのストリートで出会った、ご商売のふたりの女の子と一緒にチェンマイへ遊びに行き、旅は道連れ行きがかりの苦難の末、ふたりの故郷・チェンライまで行く。チェンライは、ミャンマー、ラオスと国境を接するタイ最北の地、少数民族も多く住む。
主人公の男、妻子はいるが仕事が続かない、そんな自称俳優。怪しげな広告モデルで首の皮、一枚。時に落ち込む。 「タイ、行ってみれば!」ってな事で、事務所から小遣いもらってタイへ。

バンコクに着いてみると、ウハウハ天国ってなことで、そんで僕はお金持ちってなことで話は始まるが、同行のふたりの子にチェンマイで薬を飲まされ、身ぐるみはがされる。がしかし、財布から出て来たカードはTカードだけ。どっちが怒っても不思議はない状況だが、タイの女の子が怒りまくる。
さて、ここいらから男と女の子たちとの立場が逆転、さて顛末はどうなりますやら・・・。
「ニュースラウンジ25時」

舞台は、フィリピンはマニラと東京。アジアのニュース番組の総合司会をする男と、マニラ駐在のニュースキャスターの女の話。
ふたりがともに東京勤務だった頃に愛し合い結婚を誓ったが、彼女がマニラに転勤してから、かれこれ3年。関係がどんどん希薄になっていく。そういう不満がたまる女。男は、うっとうしさと問題の先送り。
女は取材中にフィリピンを襲った大型台風で海に流されかける。カメラマンに助けられ、九死に一生を得る。そのことを言わない女。知りようもない男。

「FUN FAIR」

マレーシアでのお話。時はお昼。夕方の便で日本に帰国予定の会社員が、この残ったフリーの時間にマッサージに行こうと、ホテルを出てそんな街に着いた。さて・・・と突っ立ていると、幼い女の子が子ヤギを連れているのが目に入った。ここから始まる、この小さな女の子と、ヤギさんと、トライシクルの男、そして日本人会社員の、子ヤギを探して、FUN FAIRを探しての、おとぎ話です。

うーん、どれもイマイチ。
日本の現状認識を踏まえながら、片方で彼の国にどう接するか。そう考えると、はじめの映画「チェンライの娘」がギリギリラインか。主人公男性の売春ツアー、そしてその相手の、あのふたりの女の子に映画は何を託したのやら。二番目の「ニュースラウンジ25時」は、脚本フォーマットにお行儀よく収まっている感じ。そして特にマニラでなくても・・・。最後の「FUN FAIR」、ちょっと勘弁してよ・・・。
下に、「ミャンマー映画」を少し取り上げる。ミャンマー映画はまだ、国際感覚を持ち得てない。
一方、「同じ星の下、それぞれの夜」の国際感覚の欠如って、実に悲しいな。
監督:富田克也、冨永昌敬、真利子哲也|日本|2012年|合計110分|
(チェンライの娘)
出演:川瀬陽太、Ai、スシットラポン・ヌッチリ、クリサナー・オビ、富田克也、相澤虎之助、レイザーラモンRG|
(ニュースラウンジ25時)
出演:ムーディ勝山、阿部真里、西方凌、森松剛憲、今橋貴|
(FUN FAIR)
出演:山本剛史、スン・ジェニー、アズマン・ハッサン、ディーチャイ・パウイーナ|
富田克也監督の映画
冨永昌敬 監督の映画
ミャンマー映画祭 2013
ミャンマー映画祭実行委員会

今回、はじめて観に行ってみた。
まず初めに、彼の国の映画スタッフに対して今後を期待したい。
国内向けに需要が拡大しているであろうTVドラマ製作だけではなく、ミャンマーとして世界に出て行こうとする気概ある人材の輩出を、一映画ファンとしては望みたい。
また、ある程度の文学的土壌あっての映画、だと感じる。
映画発だけではなく小説発の物語を物語って欲しい。ミャンマーのあやつり人形劇を観たことがある。あのジャンルから新しい物語が始まってもいいとも思う。
<上映作品>
「彼女にバレないように」 2012年
原作:ミャシティ|脚本:ティハソウ|監督:ワイー|主演:ネイトウ、エインダラチョウジン|
「あの世へ1.4キログラム」 2009年
脚本:ミウウミン|監督:ネイパイ|主演:ルメイン、ナワラ|
【 一夜一話の歩き方 】
下記、クリックしてお読みください。
<洋画>
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<邦画>
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