映画「ケス」   監督:ケン・ローチ

上

  炭鉱で生活している、ここいらの家では、中学を卒業すると、たいていは炭坑労働者となる。
学校  主人公のキャスパー少年は、卒業を控えている。少年には歳の離れた兄がいて炭坑夫、町では鼻つまみ者。少年の家族は、その兄と母親の計三人。キャスパーは新聞配達をして家にお金を入れている。体格は小柄で貧弱、サッカーとか身体を動かすのは積極的じゃない。学校では無口で目立たない。小さいからいじめられもする。仲間も少なそう、ひとりでいたいタイプ。
  そんなキャスパーが、ハヤブサと出会い、飼うことになる。

組00  ストーリーは、孤独な少年がハヤブサを育てながら、自身もハヤブサからものを学び成長していく、さわやかドラマであるが、これだけでは映画の一面しか観れていない。
  イギリスのヨークシャー地方、小規模な炭鉱があるこの町の、停滞する経済。とりわけ、そこに住む炭坑労働者の生活環境の悪化、狭い町のなかでの格差と差別の問題、炭坑の衰退で義務教育終了者の労働市場崩壊、よってくすぶる若者たち、活力が低下しきった学校教育への批判などが織り込まれている映画でもある。

 1969年、まだまだ牧歌的な地方都市でのお話。  
草地





オリジナル・タイトル:Kes
監督:ケン・ローチ|イギリス|1969年|112分|
原作:バリー・ハインズ|脚本:バリー・ハインズ 、ケン・ローチ|撮影:クリス・メンゲス|
出演:キャスパー(デイヴィッド・ブラッドリー)|母親(リン・ペレー)|兄ジャド(フレディ・フレッチャ)|国語教師ファーシング(コリン・ウェランド)|


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