映画 「 闇からの声なき声」

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  筋痛性脳脊髄炎 (ME)という難病のドキュメンタリー映画です。
  ウィルス感染による重篤な疾患で、1950年代にイギリスで集団感染したことが確認されているにも関わらず、現在においても研究が遅れていて、いまだに原因が分かっていません。つまり治療方法や薬がありません。
  そもそも、この病気は、世界中でほとんどの医師が認知していないのです。分からない医師が治療にあたるのです。よって、時に、医療側が加害者になってしまうのです。私たちが知らなかったのも当然です。
  なぜ、こんな不条理なことになっているのか、この映画はていねいに静かに語ります。

2_20130527191925.jpg  現代の医療は、心臓、肝臓といったように、臓器別に細分化されて研究や治療が行われています。
  一方、筋痛性脳脊髄炎 (ME)という難病は、身体の全系統にわたって影響が出るため、臓器別の医療学会体制では、研究さえ対応できません。また肉体的な病気であるにもかかわらず、初期の症状や愁訴つまり医師につらい事情を明かして嘆き訴える、その内容が「うつ」と同様なために、精神科にまわされることが多いのです。よって、現在、この難病は世界的に精神科の医療学会が主導権を握って当っています。これが真の研究が遅れてしまう理由になっています。筋痛性脳脊髄炎 (ME)を精神科学会では、慢性疲労症候群という名称で呼ばれています。なんと言う事なのでしょうか。

  筋痛性脳脊髄炎 (ME)は
    ・中枢神経および免疫システムの深刻な調節障害
    ・細胞のエネルギー代謝およびイオン輸送の機能障害
    ・心臓血管系の異常を伴う複雑な疾患
  だそうです。
  とても難解な障がいですが、日本では30万人の患者がおられる実態があります。
  有効な治療方法がなく、重症の方は、「光」が症状を悪化させるために、在宅で暗い部屋に閉じこもり、寝たきりになってしまいます。だから「 闇からの声なき声」なのです。
  日本でも少しずつ研究が始まっているそうですが、この病気を診察できる医師は10人ほど。30万人の患者を診きれません。多くの方々は、内科に行き、精神科に回され、また内科に戻ってくるといったように、病名さえ分からずに難民化しています。
  先進的な団体が、政府に働きかけを行っているようですが、30万人と規模が大きすぎるために、医療の優遇策が講じられていません。

   NPO法人 筋痛性脳脊髄炎の会
       理事長の篠原三恵子氏はこの難病の患者です。
    公式サイト:http://mecfsj.wordpress.com/
  
  
   ここから映画の一部が観れます。こちらから 
    (外部リンクです。 リンク先:NPO法人 筋痛性脳脊髄炎の会)
     
    オリジナル・タイトル:Voices from the Shadows
    製作:ナタリー・ブールトン、ジョシュ・ビックス|イギリス|2011年|63分|


   別の映画ですが、「アイ リメンバー ミー」という映画も筋痛性脳脊髄炎のドキュメンタリー映画ですが、私はまだ観ていません。
    詳しくは、こちらから 
    (外部リンクです。 リンク先:NPO法人 筋痛性脳脊髄炎の会)
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やまなか
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