「自分を探す旅」(邦画編) 映画ピックアップ 一夜一話から
2010年01月01日 公開
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誰しも、自分を探す。
「自分探し」
就活で言われるが、「探せ」と偉そうに言うあんた!
あんた、自分を探しえたのか?
恥ずかしながら、自分を見失う事もある。
自分の中を見てみる。
見渡せるもんじゃない。
宇宙より、自分の中のほうが、奥が深い。と言っておこう。
「音符と昆布」 監督:井上春生 主演:池脇千鶴、市川由衣
小暮もも(市川由衣)、彼女にはふたつの不幸せがある。母がいないこと、生まれつき嗅覚がないこと。でも勝気な性格と、鋭敏な味覚・食感でフードコーディネーターとして頑張ってる。人は欠けているものを、違うものでおぎなえると確信している。
ひとりっ子だと思っていた。 ある日、ももがドアを開けると、そこに「小暮かりん、25歳」(池脇千鶴)が立っていた。姉である。アスペルガー症候群を患っていて長年、施設にいた。
この瞬間から、ももは、おもいっきりの混乱が始まる。そして、自分が知らなかった人生が次々に明らかになる・・・。
映画評の続きは、こちらから
「雲の上」 監督:富田克也 (空族)
窮屈な田舎にうんざりな主人公チケン。かといって、何かをしたい、どこかに行きたい、そんな気持ちにもなれないでいる。
悪がきチケンの家は寺。寺に隠れ部屋があって昔からやくざに賭博場を提供している。だからチケンは村では肩で風を切って歩ける。勢い、誰かと喧嘩して刑務所行き、やっと出所して来た。その間にシラスは組では下の下のチンピラになっていた。チケンと、親を知らない小柄なシラスは幼なじみ。性格も体格もまるっきり違うが気が合う。シラスが仕出かした組に対する失敗が、チケンを巻き込んでいく・・・。
映画評の続きは、こちらから
「きょうのできごと」 監督:行定勲 出演:田中麗奈、妻夫木聡、伊藤歩、池脇千鶴
実は好きな映画です。何回観てもいい。
正道は京都の大学院に合格し、大阪から京都に引越しした。その下宿は、河原町今出川あたりの路地奥の町家か。 ここに友人たちを集めて、門出のささやかな飲み会が始まる。けいと(伊藤歩)、真紀(田中麗奈)ふたりの女は酔って男たちに絡む。男らは、みな気弱。「自分を探す旅」の最中は、自分が何者かわからない。思いのほか、情けない。そんなフワフワした中、若者たちの群像劇が語られる。
いやもう、どうでもいい彼らの日常 つまらん話ですが、これが、映画になってるのです。たんたんとしてますが、決してあきさせない。最後までみせる。凄い!
映画評の続きは、こちらから
「古都」 監督:中村登 主演:岩下志麻
どういう事情だか、この世に生まれてすぐに生き別れた双子の娘(岩下志麻・一人二役)が、互いの顔も、両親の顔も知らずに、ひとりは、西陣の呉服問屋の一人娘として育ち、片や、北山の奥深く中川の村で、北山丸太の丸太磨きとして働いている。
このふたりが、その夏に祇園祭で賑わう四条河原町あたりで、出会った。
双子同士だ、直感でお互いが姉妹だと感じたが、北山の娘は、西陣の娘の身なり、顔だちを見て思わず「お嬢様」と呼んだ。そう、この育ちの違い、身分の違いが、嬉しいはずの出会いを、ふたりの行く末を、狂わしていくのであった・・・。
映画評の続きは、こちらから
「ゴーヤーちゃんぷるー」 監督:松島哲也 主演:多部未華子、武田航平、大城美佐子
石垣島から船に乗ってひとり西表島にやって来た高校生・鈴木ひろみ(多部未華子)は、東京で祖父母と暮らしていた。学校でのイジメで登校拒否、引きこもり中だった。母(風吹ジュン)とは2歳の時に離別。海洋写真家の父の手で育ったが、ある日父は海から帰らぬ人となった。 ひろみの、社会との接点は携帯。掲示板でケンムン(武田航平)に出会い少し元気をもらう。彼は西表島のダイバーズショップでインストラクターをしてるらしい。
家を飛び出したひろみは石垣島の埠頭にぽつんと立っていた。そんな彼女を吉田サヨ(大城美佐子)は見逃さなかった。観光客にみえない、家出かな?
西表に到着。「さあ乗って、集落まで行ってあげるから」 家まで連れてきた。「この家は私一人、泊まっていいよ。」 吉田サヨは実はユタ(沖縄の霊能力者)でもあった・・・。
映画評の続きは、こちらから
「幸福のスイッチ (しあわせ)」 監督:安田真奈 出演:上野樹里、沢田研二、本上まなみ
いい映画です。 明るくてコミカルで味がある。
母親を若くして亡くし、父親(ジュリー)ひとりで娘3人を育てた。家業は家電販売店。
次女・怜(上野樹里)の東京での毎日は・・・東京のデザイン専門学校を今春卒業し広告代理店に就職しているが、客の言うままのデザインがしたくない!!のボヤキの毎日。そんなある日、瞳ねえちゃん(本上まなみ)から父親が緊急入院という知らせ。あわてて帰省し病院に駆け込む。
父親と怜はそりが合わない。怜に言わせれば、お客に下手に出すぎ、そんなにぺこぺこせんでもええやろ。アイロンただで直さんでお金取ったら。昔から家のもん、ただで使いすぎ、人使い荒いわ!それに・・・浮気してる?!。 父親に言わせれば、東京の学校行かせてやった、東京で一人暮らし、たぶん貯金ないやろ。いっつも文句ばっかし、若い頃の自分と一緒や・・・。
映画評の続きは、こちらから
「十九歳の地図」 監督:柳町光男 出演:本間優二、蟹江敬三、沖山秀子
昭和54年、主人公・吉岡まさる19歳は、和歌山の新宮から東京に出てきて、代々木ゼミナールに通う浪人生。彼は生活のため、東京は北区滝野川・王子あたりの新聞販売店に住みこむ。
浪人生は、社会的基盤から外れた風に感じる時期。そんな不安から来る吉岡のウップン晴らしは、人気の無い早朝、配達先の街に向けられる。みんながまだ寝ている早朝の街は、彼にとって「何でも自由にできる世界」に見える。だから、いやな配達先には、イタズラをして回る。そしてエスカレートしていく・・・。
要するに、幼さと甘えが残るモラトリアムの中での葛藤。で、たぶん、その後、彼は大学生になったんだろう。 肩に力を入れて、昔風に感情移入して観るも良しだが、もう当時の同時代的空気は拡散してしまった。でも、いま観てみても悪くない作品。
映画評の続きは、こちらから
「白い息 / ファの豆腐」 監督:久万真路 主演:菊池亜希子
「白い息 / 冬の日」 監督:黒崎博 主演:長澤まさみ
「白い息」は、「ファの豆腐」と、「冬の日」の2本の短編映画で構成されています。 どちらの作品も、普通の生活の中で、普通の女性が、壁に突き当たり乗り越えていく姿を、詩情豊かに、すっきりした爽やかな緊張感のもと、生きいきと描いています。
「ファの豆腐」
東京都江東区常盤のあたりでしょうか、こじんまりした商店街の、脇を入ったところにある豆腐屋が映画の舞台です。父親と、一人娘・朝子のふたり、二人三脚で店をやっている。母親は早くに亡くしたようです。
朝子は悩んでいる。父と口論になった。そもそも、新卒時の就活が上手く行かずに、その末に仕方なく「家業に就職」することとなった朝子。当時、彼女は言った。「豆腐屋をやりたい。家業を継ぎたい。」でも実はウソだった・・・。
「冬の日」
南魚沼市郊外の農村地帯、雪降る冬。北の冬を舞台にした事が成功している。映画のイメージが凛としてくる。 写真屋が閉店作業をしている。父親は外出中。ひとり娘のリサが、東京から帰ってきて閉店の片づけを手伝っている。久々の帰省らしい。東京でフォトグラファーとしての成功し失敗した。
そこへ、幼なじみの男子の母親が現れる。その後の心境を話し出す。打ち解けた雰囲気に、何か救われた気持ちになるリサであった。そして・・・。
どちらの映画評も、その続きは、こちらから
「深呼吸の必要」 監督:篠原哲雄
沖縄のサトウキビ収穫・農作業。すべて手作業で大変な肉体労働だが、時給は低い。それでも全国から人が集まってくる。それはやはり沖縄に癒されたい気持ちが、人を「キビ刈り隊」に応募させる。てなわけで、わけ有な人々が集まってくる。
ここ離島の、サトウキビ農家の平良さんは、今年も5名の「キビ刈り隊」を集めた。バイト7年目のリーダーー役の田所を加え総勢6名で収穫する。ことしのメンバーは当たりの人材か否か・・・。今年のメンバーはどんな物語を見せてくれるんだろうか? 平良さん夫婦はちょっと楽しみだ。
映画評の続きは、こちらから
「空の穴」 監督:熊切和嘉 主演:寺島進、菊地百合子
さらっとした、いい映画。
一人息子の市夫(寺島進)は、親が作ったドライブイン「空の穴」をひとりで切り盛りしている。ひとりで切り盛りできるほどしか、繁盛していない。
「空の穴」は北海道の片田舎にある。近くに人家はない。空気だけはいい。晴れた日は、空が抜けるように青い。市夫の日課は規則正しい。早朝にジョギング、食材の仕入れ、仕込み、そして昼間は客がほとんど来ないのでボーっとしている。目の前の道路を時々車が通るだけ。夜は賑わう。市夫はこうした繰り返しの毎日を何年も送っているが、特に不満は無い。だが30歳過ぎの独身だ、時に漠然とした不安を感じる時もある。そんなある日・・・、で映画話は始まる。
市夫の、漠然とした領域に、突然、女、香山妙子(菊地百合子)が飛び込んできた・・・。
映画評の続きは、こちらから
「タイムレスメロディ」 監督:奥原浩志 出演:青柳拓次、市川実日子
「自分を探す旅」、そんな旅に出ている自覚症状はない。実感は、時間の流れに身を任せる。時に、あての無い何かを待っている感じかも。
全体にセリフが少ない。セリフの間や、沈黙シーンの時間が長い。あての無い何かを待っている。 この、長い沈黙に耐えるためには、役者が素直な自然体をどれだけ自然にできるか重要。 そして長い間に耐えうる空間表現。温度は少し低くいんだけど、なぜか抱擁感ある空気感を、映画の舞台であるビリヤード場でどう演出するか?
これらがうまく合わさって、硬質になりがちなシーンの沈黙を、「適度な軽さ」に仕立てた。これが、この映画の味を産み出している。
手触り感ある映画。生成りの、きめの粗い布の肌触り。 役者の演技も、音楽も。 奥原監督と、役・音楽を担当する青柳拓次、この2人の仕事。これに市川実日子が味を添える。
映画評の続きは、こちらから
「旅の重さ」 監督:斎藤耕一 出演:高橋洋子、三國連太郎、高橋悦史
16歳の少女が、夏の空の下、四国遍路の旅に出た。「自分を探す旅」そのものです。正面切ってテーマにするのは意外に難しい。ないしは、気恥ずかしい? 気おくれが伴いがち。そこを王道で突破した映画。1972年だからできた映画とも言える。
がっしり構えたフレームと計算された構図の中を、精いっぱいがんばる高橋洋子が、たどたどしくも、まぶしい。甘口の青春映画です。
映画評の続きは、こちらから
「ツレがうつになりまして。」 監督:佐々部清 宮崎あおい、堺雅人
病になると誰しも我を考える。「うつ」も、なかなか考えさせてくれる病だ。
夫(堺雅人)のことを「ツレ」と呼ぶハルさん(宮崎あおい)。相思相愛で結婚した。夫婦仲はとてもいい。
ツレは、最近、腰が痛んだり食欲ガタ減り、妙に体調が良くない。ハルさんにその都度言ってはみたが、彼女は「あそう」と受け流すだけ。 わりかし気軽な気持ちで、ツレは近所の精神科クリニックに行ってみた。風邪ひいて内科医院に行くように、薬もらえればいいや的。そしたら医師に 「うつだね」 と言われる。
ここら辺から、坂道を下るように症状が悪くなっていく。 ツレも辛いが、ハルさんも辛い。「会社辞めないなら、あたし、離婚するから!」 ハルさんは、そう言ってツレは会社を辞める。さてさて、この後、どう展開しますやら。基本、コミカルなタッチですが、ウワベだけを観ないでね。夫婦が試される、そういうことでもあるんです。
映画評の続きは、こちらから
「鉄塔武蔵野線」 監督:長尾直樹
少年も、そうとは意識せずに「自分を探す旅」に出ています。
小学校の男の子がふたり、自転車に乗って、送電の川上に向かって、鉄塔をたどって行く、それだけの話ですが。小学校時代の夏休みは、特別な体験が出来る不思議な時期です。そんな不思議のひとつやふたつ、お持ちですか?
映画評の続きは、こちらから
「東京物語」 監督:小津安二郎 出演:原節子、笠智衆、東山千栄子
ご年配も、旅に出ます。これまでに「自分探し」を幾度も経験して、でも、この歳での「自分を探す旅」は初めてなのです。笠智衆、東山千栄子のご夫婦は、たぶん、確信的に旅に出ています。
東京に住む息子・娘たちの、盆暮れの帰郷は途絶えているようだ。広島県尾道に住む父母はそれぞれ70歳(笠智衆)、67歳(東山千栄子)、一大決心して子たちに会うための、始めての上京だった・・・。
映画評の続きは、こちらから
「ドキュメント灰野敬二」 監督:白尾一博 出演:灰野敬二
「自分を探す旅」をドキュメンタリー映画に仕立てた作品。
脚色を排した、まったく素直なドキュメンタリーに仕上がっている。
灰野敬二とは何ぞや、について、ていねいな映画。
1952年5月生まれ。(昭和27年) 灰野自身が出自をとつとつと語る。
当時の写真が何枚も出てくる。まるで彼のうちでアルバムを見せてもらっている感じ。
映画評の続きは、こちらから
「パーク アンド ラブホテル」 監督:熊坂出 主演:りりィ
それぞれに悩む女たちが主人公。
そして、それぞれが乗り越えていく時に、ちょっとしたきっかけを与えてくれる天使が要る。 ベルリン映画祭で受賞した映画、さわやかな後味。お見逃しなく。
「ごはん、食べてく?」 艶子59歳(りりィ)は、孫のような、悩み多き美香13歳に声をかけた。誰がみても家出中という格好。「銀髪のこの子、ちょっと、ほっとけない感じ。」 と艶子は思う。
ここは東京にあるラブホテル街。その屋上を公園として地域に開放している。艶子はこのラブホのオーナー。
端折って、第二章。艶子の一日は、ホテルの前を掃くことから始まる。そしてこの時間に、決まって通りすがるウォーキング主婦の月がいた。おはようの挨拶だけは交わすようになって久しいが、お互い話したこともない・・・。
映画評の続きは、こちらから
「ヒポクラテスたち」 監督:大森一樹 主演:古尾谷雅人、伊藤蘭
京都の医大生たちの青春映画。
難関を突破して医大生になってはみたものの、いろんな出来事に遭遇し、それぞれに自身を問い、悩む姿を描く群像劇。
たくさんの登場人物、その人々分のたくさんのエピソードで構成されている。登場人物たちをないがしろにしない、登場人物を尊重した優しい映画ともいえるし、各エピソードに対して、それぞれ細かい配慮がしてある映画とも言える。手を抜かない真面目さに、初々しさを感じる。そこんところを称えたい。
そして、こんなたくさんを抱えても映画は乱れない。乱れない理由は映画の核に、医療行為って何だ! という強い模索があって・・・。大森一樹監督の「自分を探す旅」でもある。
映画評の続きは、こちらから
「二人が喋ってる。」 監督:犬童一心
好きな映画です。久々に観ましたが、いいですね。
大阪の街を路上をふたりが、普通に歩きながらしゃべくる。やいやい言い合う。スピードある関西弁のリズムが心地よい。漫才コンビなんだから、当たり前と言えばそうだが、ステージ上より、少し普通の会話に近いリズム・・・。 映画評の続きは、こちらから
「USB」 監督:奥秀太郎 出演:渡辺一志、桃井かおり
「自分を探す旅」は、真面目な人間ほど自虐的になる。
祐一郎は、医者の家の子だ。医大を目指す浪人5年生。頭が悪いわけじゃなさそうだ。自身でも医師になる気がないわけじゃない。その気になったら合格するつもりらしい。だから、たまには予備校に行く。
祐一郎は、地場のヤクザに借金がある。ある日、ヤクザの事務所に行くと、組のボス(大杉漣)からビニール袋に入った白い粉を渡される。売ってこいや。ボスは、何事にも動じない祐一郎の気質をかっている。 医大向け予備校には金持ちのボンボンが多いらしい。小分けした袋がさばけたが、完済には程遠い。
彼女が妊娠した。やっぱり、まとまった金がいる。治験の話は、幼なじみの悪仲間らからきいていた。祐一郎の非日常が、静かにだが、日ごとに、エスカレートしていく・・・。
映画評の続きは、こちらから
誰しも、自分を探す。
「自分探し」
就活で言われるが、「探せ」と偉そうに言うあんた!
あんた、自分を探しえたのか?
恥ずかしながら、自分を見失う事もある。
自分の中を見てみる。
見渡せるもんじゃない。
宇宙より、自分の中のほうが、奥が深い。と言っておこう。

小暮もも(市川由衣)、彼女にはふたつの不幸せがある。母がいないこと、生まれつき嗅覚がないこと。でも勝気な性格と、鋭敏な味覚・食感でフードコーディネーターとして頑張ってる。人は欠けているものを、違うものでおぎなえると確信している。
ひとりっ子だと思っていた。 ある日、ももがドアを開けると、そこに「小暮かりん、25歳」(池脇千鶴)が立っていた。姉である。アスペルガー症候群を患っていて長年、施設にいた。
この瞬間から、ももは、おもいっきりの混乱が始まる。そして、自分が知らなかった人生が次々に明らかになる・・・。
映画評の続きは、こちらから

窮屈な田舎にうんざりな主人公チケン。かといって、何かをしたい、どこかに行きたい、そんな気持ちにもなれないでいる。
悪がきチケンの家は寺。寺に隠れ部屋があって昔からやくざに賭博場を提供している。だからチケンは村では肩で風を切って歩ける。勢い、誰かと喧嘩して刑務所行き、やっと出所して来た。その間にシラスは組では下の下のチンピラになっていた。チケンと、親を知らない小柄なシラスは幼なじみ。性格も体格もまるっきり違うが気が合う。シラスが仕出かした組に対する失敗が、チケンを巻き込んでいく・・・。
映画評の続きは、こちらから

実は好きな映画です。何回観てもいい。
正道は京都の大学院に合格し、大阪から京都に引越しした。その下宿は、河原町今出川あたりの路地奥の町家か。 ここに友人たちを集めて、門出のささやかな飲み会が始まる。けいと(伊藤歩)、真紀(田中麗奈)ふたりの女は酔って男たちに絡む。男らは、みな気弱。「自分を探す旅」の最中は、自分が何者かわからない。思いのほか、情けない。そんなフワフワした中、若者たちの群像劇が語られる。
いやもう、どうでもいい彼らの日常 つまらん話ですが、これが、映画になってるのです。たんたんとしてますが、決してあきさせない。最後までみせる。凄い!
映画評の続きは、こちらから

どういう事情だか、この世に生まれてすぐに生き別れた双子の娘(岩下志麻・一人二役)が、互いの顔も、両親の顔も知らずに、ひとりは、西陣の呉服問屋の一人娘として育ち、片や、北山の奥深く中川の村で、北山丸太の丸太磨きとして働いている。
このふたりが、その夏に祇園祭で賑わう四条河原町あたりで、出会った。
双子同士だ、直感でお互いが姉妹だと感じたが、北山の娘は、西陣の娘の身なり、顔だちを見て思わず「お嬢様」と呼んだ。そう、この育ちの違い、身分の違いが、嬉しいはずの出会いを、ふたりの行く末を、狂わしていくのであった・・・。
映画評の続きは、こちらから

石垣島から船に乗ってひとり西表島にやって来た高校生・鈴木ひろみ(多部未華子)は、東京で祖父母と暮らしていた。学校でのイジメで登校拒否、引きこもり中だった。母(風吹ジュン)とは2歳の時に離別。海洋写真家の父の手で育ったが、ある日父は海から帰らぬ人となった。 ひろみの、社会との接点は携帯。掲示板でケンムン(武田航平)に出会い少し元気をもらう。彼は西表島のダイバーズショップでインストラクターをしてるらしい。
家を飛び出したひろみは石垣島の埠頭にぽつんと立っていた。そんな彼女を吉田サヨ(大城美佐子)は見逃さなかった。観光客にみえない、家出かな?
西表に到着。「さあ乗って、集落まで行ってあげるから」 家まで連れてきた。「この家は私一人、泊まっていいよ。」 吉田サヨは実はユタ(沖縄の霊能力者)でもあった・・・。
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いい映画です。 明るくてコミカルで味がある。
母親を若くして亡くし、父親(ジュリー)ひとりで娘3人を育てた。家業は家電販売店。
次女・怜(上野樹里)の東京での毎日は・・・東京のデザイン専門学校を今春卒業し広告代理店に就職しているが、客の言うままのデザインがしたくない!!のボヤキの毎日。そんなある日、瞳ねえちゃん(本上まなみ)から父親が緊急入院という知らせ。あわてて帰省し病院に駆け込む。
父親と怜はそりが合わない。怜に言わせれば、お客に下手に出すぎ、そんなにぺこぺこせんでもええやろ。アイロンただで直さんでお金取ったら。昔から家のもん、ただで使いすぎ、人使い荒いわ!それに・・・浮気してる?!。 父親に言わせれば、東京の学校行かせてやった、東京で一人暮らし、たぶん貯金ないやろ。いっつも文句ばっかし、若い頃の自分と一緒や・・・。
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昭和54年、主人公・吉岡まさる19歳は、和歌山の新宮から東京に出てきて、代々木ゼミナールに通う浪人生。彼は生活のため、東京は北区滝野川・王子あたりの新聞販売店に住みこむ。
浪人生は、社会的基盤から外れた風に感じる時期。そんな不安から来る吉岡のウップン晴らしは、人気の無い早朝、配達先の街に向けられる。みんながまだ寝ている早朝の街は、彼にとって「何でも自由にできる世界」に見える。だから、いやな配達先には、イタズラをして回る。そしてエスカレートしていく・・・。
要するに、幼さと甘えが残るモラトリアムの中での葛藤。で、たぶん、その後、彼は大学生になったんだろう。 肩に力を入れて、昔風に感情移入して観るも良しだが、もう当時の同時代的空気は拡散してしまった。でも、いま観てみても悪くない作品。
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「白い息 / 冬の日」 監督:黒崎博 主演:長澤まさみ
「白い息」は、「ファの豆腐」と、「冬の日」の2本の短編映画で構成されています。 どちらの作品も、普通の生活の中で、普通の女性が、壁に突き当たり乗り越えていく姿を、詩情豊かに、すっきりした爽やかな緊張感のもと、生きいきと描いています。
「ファの豆腐」
東京都江東区常盤のあたりでしょうか、こじんまりした商店街の、脇を入ったところにある豆腐屋が映画の舞台です。父親と、一人娘・朝子のふたり、二人三脚で店をやっている。母親は早くに亡くしたようです。
朝子は悩んでいる。父と口論になった。そもそも、新卒時の就活が上手く行かずに、その末に仕方なく「家業に就職」することとなった朝子。当時、彼女は言った。「豆腐屋をやりたい。家業を継ぎたい。」でも実はウソだった・・・。
「冬の日」
南魚沼市郊外の農村地帯、雪降る冬。北の冬を舞台にした事が成功している。映画のイメージが凛としてくる。 写真屋が閉店作業をしている。父親は外出中。ひとり娘のリサが、東京から帰ってきて閉店の片づけを手伝っている。久々の帰省らしい。東京でフォトグラファーとしての成功し失敗した。
そこへ、幼なじみの男子の母親が現れる。その後の心境を話し出す。打ち解けた雰囲気に、何か救われた気持ちになるリサであった。そして・・・。
どちらの映画評も、その続きは、こちらから

沖縄のサトウキビ収穫・農作業。すべて手作業で大変な肉体労働だが、時給は低い。それでも全国から人が集まってくる。それはやはり沖縄に癒されたい気持ちが、人を「キビ刈り隊」に応募させる。てなわけで、わけ有な人々が集まってくる。
ここ離島の、サトウキビ農家の平良さんは、今年も5名の「キビ刈り隊」を集めた。バイト7年目のリーダーー役の田所を加え総勢6名で収穫する。ことしのメンバーは当たりの人材か否か・・・。今年のメンバーはどんな物語を見せてくれるんだろうか? 平良さん夫婦はちょっと楽しみだ。
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さらっとした、いい映画。
一人息子の市夫(寺島進)は、親が作ったドライブイン「空の穴」をひとりで切り盛りしている。ひとりで切り盛りできるほどしか、繁盛していない。
「空の穴」は北海道の片田舎にある。近くに人家はない。空気だけはいい。晴れた日は、空が抜けるように青い。市夫の日課は規則正しい。早朝にジョギング、食材の仕入れ、仕込み、そして昼間は客がほとんど来ないのでボーっとしている。目の前の道路を時々車が通るだけ。夜は賑わう。市夫はこうした繰り返しの毎日を何年も送っているが、特に不満は無い。だが30歳過ぎの独身だ、時に漠然とした不安を感じる時もある。そんなある日・・・、で映画話は始まる。
市夫の、漠然とした領域に、突然、女、香山妙子(菊地百合子)が飛び込んできた・・・。
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「自分を探す旅」、そんな旅に出ている自覚症状はない。実感は、時間の流れに身を任せる。時に、あての無い何かを待っている感じかも。
全体にセリフが少ない。セリフの間や、沈黙シーンの時間が長い。あての無い何かを待っている。 この、長い沈黙に耐えるためには、役者が素直な自然体をどれだけ自然にできるか重要。 そして長い間に耐えうる空間表現。温度は少し低くいんだけど、なぜか抱擁感ある空気感を、映画の舞台であるビリヤード場でどう演出するか?
これらがうまく合わさって、硬質になりがちなシーンの沈黙を、「適度な軽さ」に仕立てた。これが、この映画の味を産み出している。
手触り感ある映画。生成りの、きめの粗い布の肌触り。 役者の演技も、音楽も。 奥原監督と、役・音楽を担当する青柳拓次、この2人の仕事。これに市川実日子が味を添える。
映画評の続きは、こちらから

16歳の少女が、夏の空の下、四国遍路の旅に出た。「自分を探す旅」そのものです。正面切ってテーマにするのは意外に難しい。ないしは、気恥ずかしい? 気おくれが伴いがち。そこを王道で突破した映画。1972年だからできた映画とも言える。
がっしり構えたフレームと計算された構図の中を、精いっぱいがんばる高橋洋子が、たどたどしくも、まぶしい。甘口の青春映画です。
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病になると誰しも我を考える。「うつ」も、なかなか考えさせてくれる病だ。
夫(堺雅人)のことを「ツレ」と呼ぶハルさん(宮崎あおい)。相思相愛で結婚した。夫婦仲はとてもいい。
ツレは、最近、腰が痛んだり食欲ガタ減り、妙に体調が良くない。ハルさんにその都度言ってはみたが、彼女は「あそう」と受け流すだけ。 わりかし気軽な気持ちで、ツレは近所の精神科クリニックに行ってみた。風邪ひいて内科医院に行くように、薬もらえればいいや的。そしたら医師に 「うつだね」 と言われる。
ここら辺から、坂道を下るように症状が悪くなっていく。 ツレも辛いが、ハルさんも辛い。「会社辞めないなら、あたし、離婚するから!」 ハルさんは、そう言ってツレは会社を辞める。さてさて、この後、どう展開しますやら。基本、コミカルなタッチですが、ウワベだけを観ないでね。夫婦が試される、そういうことでもあるんです。
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少年も、そうとは意識せずに「自分を探す旅」に出ています。
小学校の男の子がふたり、自転車に乗って、送電の川上に向かって、鉄塔をたどって行く、それだけの話ですが。小学校時代の夏休みは、特別な体験が出来る不思議な時期です。そんな不思議のひとつやふたつ、お持ちですか?
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ご年配も、旅に出ます。これまでに「自分探し」を幾度も経験して、でも、この歳での「自分を探す旅」は初めてなのです。笠智衆、東山千栄子のご夫婦は、たぶん、確信的に旅に出ています。
東京に住む息子・娘たちの、盆暮れの帰郷は途絶えているようだ。広島県尾道に住む父母はそれぞれ70歳(笠智衆)、67歳(東山千栄子)、一大決心して子たちに会うための、始めての上京だった・・・。
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「自分を探す旅」をドキュメンタリー映画に仕立てた作品。
脚色を排した、まったく素直なドキュメンタリーに仕上がっている。
灰野敬二とは何ぞや、について、ていねいな映画。
1952年5月生まれ。(昭和27年) 灰野自身が出自をとつとつと語る。
当時の写真が何枚も出てくる。まるで彼のうちでアルバムを見せてもらっている感じ。
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それぞれに悩む女たちが主人公。
そして、それぞれが乗り越えていく時に、ちょっとしたきっかけを与えてくれる天使が要る。 ベルリン映画祭で受賞した映画、さわやかな後味。お見逃しなく。
「ごはん、食べてく?」 艶子59歳(りりィ)は、孫のような、悩み多き美香13歳に声をかけた。誰がみても家出中という格好。「銀髪のこの子、ちょっと、ほっとけない感じ。」 と艶子は思う。
ここは東京にあるラブホテル街。その屋上を公園として地域に開放している。艶子はこのラブホのオーナー。
端折って、第二章。艶子の一日は、ホテルの前を掃くことから始まる。そしてこの時間に、決まって通りすがるウォーキング主婦の月がいた。おはようの挨拶だけは交わすようになって久しいが、お互い話したこともない・・・。
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京都の医大生たちの青春映画。
難関を突破して医大生になってはみたものの、いろんな出来事に遭遇し、それぞれに自身を問い、悩む姿を描く群像劇。
たくさんの登場人物、その人々分のたくさんのエピソードで構成されている。登場人物たちをないがしろにしない、登場人物を尊重した優しい映画ともいえるし、各エピソードに対して、それぞれ細かい配慮がしてある映画とも言える。手を抜かない真面目さに、初々しさを感じる。そこんところを称えたい。
そして、こんなたくさんを抱えても映画は乱れない。乱れない理由は映画の核に、医療行為って何だ! という強い模索があって・・・。大森一樹監督の「自分を探す旅」でもある。
映画評の続きは、こちらから

好きな映画です。久々に観ましたが、いいですね。
大阪の街を路上をふたりが、普通に歩きながらしゃべくる。やいやい言い合う。スピードある関西弁のリズムが心地よい。漫才コンビなんだから、当たり前と言えばそうだが、ステージ上より、少し普通の会話に近いリズム・・・。 映画評の続きは、こちらから

「自分を探す旅」は、真面目な人間ほど自虐的になる。
祐一郎は、医者の家の子だ。医大を目指す浪人5年生。頭が悪いわけじゃなさそうだ。自身でも医師になる気がないわけじゃない。その気になったら合格するつもりらしい。だから、たまには予備校に行く。
祐一郎は、地場のヤクザに借金がある。ある日、ヤクザの事務所に行くと、組のボス(大杉漣)からビニール袋に入った白い粉を渡される。売ってこいや。ボスは、何事にも動じない祐一郎の気質をかっている。 医大向け予備校には金持ちのボンボンが多いらしい。小分けした袋がさばけたが、完済には程遠い。
彼女が妊娠した。やっぱり、まとまった金がいる。治験の話は、幼なじみの悪仲間らからきいていた。祐一郎の非日常が、静かにだが、日ごとに、エスカレートしていく・・・。
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【 一夜一話の歩き方 】
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