映画「愛おしき隣人」   監督:ロイ・アンダーソン

u_20130719125732.jpg

スウェーデンの人々は、てっきり幸せだと思ってた。
だけど、みんなそれぞれポツンとひとり、孤独だ。
そして、とても真面目で、一生懸命生きている。
監督は、そんな人々を愛おしみながら、
一方で観客を、オチャメに、そっと くすぐり、
私たちは、くすぐられて、苦っと笑う。そんな映画。

短いエピソードが、次から次に、無秩序に脈略なく続く。
見過ごしそうな、控えめなギャグが、それぞれのシーンに埋め込まれてる。それを発見できないと、共感もできなくて、単に不条理映画にみえるだけで、笑えないよ。
  
< 夢をみた >
  ギタリストに憧れる女の子は、夢の中で彼と結婚。
  なぜか、新居はレールを走る。車窓に、まったく見知らぬ人々が押し寄せて祝福される。
  彼はギターを抱くだけで・・・。何かとても、違和感いっぱいの彼女。

  夢
  なぜ、こんな夢を見る?
  お屋敷の一室。アンティークな食器が並ぶテーブルの、長大なテーブルクロスを引き抜く。が失敗。
  裁判にかけられて死刑判決、電気椅子に。死刑見学窓の向こうに、食器の持ち主たち。
  ポップコーンの大きなバケツを抱えて、その一瞬を待っている。



< 現実を受け入れる >
  花束持って、彼女のアパートを訪れる。 花束を差し出したが・・・。
  彼女は無言で いきなり ドアを閉めた。
  ドアに挟まった花束を、男はしばらく凝視したのち、、去る。

  現実を受け入れる
  名誉会員だけの特殊なパーティで、名誉あるスピーチ予定の男が、
  クロークの電話に呼び出され、金をネダル馬鹿息子と口論する。


  
< 家庭の中の、接点不都合 >
  財産を失った悲しみを嘆く夫と           離婚すると わめくウツな妻と、
  そんな事、耳に入らぬ妻のセックス。       なだめる夫は、去りがたくも去っていく。

  家庭の悲しみ
  チューバの練習をなじる妻。         人気のない家で、ひとり太鼓の練習をするマーチング・バンドの男。

  家庭内
  ルームランナーに、わき目も振らずに。      ベランダで、暮れゆく今日一日をリリースする夫。
  息子は背後から細々と。              室内から妻が、何か言っている。


< 立って見つめる人、聞き入る人が、何やら、冷たく重い >
  店内から無言で のぞく店員たち。        教師の悲しみを、背後の生徒が・・・。
  組
  死刑見学窓の人々。             じゅうたん屋の店員の悲しみを、見下ろす客の夫婦。

  組2
  心労の精神科医の告白を聞く、          認知症の母を相手に、
  背後の看護師。               自身の心の底の澱をはきだす娘、それを見つめる看護師。


< 立ち尽くし、来るべきものを待っている。それは‥ >
  組30

ロイ・アンダーソン監督の映画を言葉にするのは難しい。予告編が一番伝わるのです。
予告編です
予告編 決め
https://www.youtube.com/watch?v=Vjv6qNsKJq4

お急ぎの方は、下の予告編をどうぞ。(日本編集版)

予告編です
予告編 決め
https://www.youtube.com/watch?v=mPlFGMtUS5I


オリジナル・タイトル:Du levande|英語タイトル:YOU,THE LIVING|
監督・脚本:ロイ・アンダーソン|スウェーデン、フランス、デンマーク、ドイツ、ノルウェー、日本|2007年|94分|
撮影監督:グスタフ・ダニエルソン|
出演:アンナ:ジェシカ・ランバーグ|ミア:エリザベート・ヘランダー|チューバ吹き:ビヨルン・イングランド|大工:レイフ・ラーソン|コンサルタント:オリー・オルソン|床屋:ケマル・セナー|精神科医:ホカン・アンサー|チューバ吹きの妻:ビルギッタ・ペルソン|ビジネスマン:グンナル・イヴァルソン|ミッケ:エリック・ベックマン|


こちらで、ロイ・アンダーソン監督の映画をまとめています。
ロイ バナー


【 一夜一話の歩き方 】
下記、クリックしてお読みください。

写真
写真
写真
写真
写真
こちらからも、どうぞ!
洋画
   題名で探す こちらから
   国名で探す こちらから

邦画
   題名で探す こちらから
   監督で探す   こちらから
観たい映画、気になる映画は、こちらから どうぞ  
関連記事
やまなか
Posted byやまなか

Comments 0

There are no comments yet.

Leave a reply