映画「スタンリーのお弁当箱」   監督:アモール・グプテ

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弁当  インド西海岸に位置するインド最大の都市ムンバイ。この街にある小学校の1クラスがお話の舞台だ。
  クラスの中で貧富の差がある。その度合いを示すが、生徒たちが持ってくるお弁当の内容とその量だ。
  普通は、丸い金属製の器を2段重ねて筒状のケースに入れて持ってくるが、それでも弁当の器にぎっしり詰めてくる子がいる一方、すかすかの子もいる。金持ちの子は、4段重ね。料理も凝っている。うらやましい限りだが、待ちに待ったお昼時になると、みな自分の弁当に夢中だ。
少年  そんなお昼に、弁当を持ってこない主人公スタンリー少年は、教室にいない。校庭の水飲み場で、水を飲んでひとり空腹をこらえている。こんな彼に気付いたクラスメイトたちは、自身のお弁当を分けてあげることになった。

  先生も生徒のみんなも知らないこと。それはスタンリーの両親は亡くなっていて、レストランを経営する叔父にひとり預けられていること。学校が終わると、その店で夜遅くまで働かされていること。店に住み込みでベッドは厨房のステンレス台であること。でもスタンリーはその境遇を誰にも語らない。両親は健在で家族3人で楽しい生活を送っているウソで、周りから自分を防衛している。

先生  国語教師のヴァルマー先生は、食い意地が張った男。この男も弁当を持ってこないで、職員室でいつも、ほかの先生たちの弁当をねだって、分けてもらっている。そして、裕福な生徒たちの弁当もねだるのだ。ある日、ヴァルマー先生はスタンリーにもねだろうとしたが、少年が弁当を持ってきていないことに腹を立てて、「弁当を持ってこないなら学校に来るな!」と怒鳴った。そして翌日から少年は学校に姿を見せなくなる。 さあ、ここからお話は展開し始めますが、それは観てのお楽しみ・・・。

きれいな女性教師たち
組10
  ヴァルマー先生の奇行は、何を意味するのだろうか。
  弁当の中身を、その人の心や大切なものと捉えるなら、それをおかす行為だ。職員室の先生たちへの、ねじ曲がった感情から発する罵りであったり、生徒に対するパワーハラスメントであろうか。スタンリーの生活環境の変化を知らぬ学校もどうかと思うが、こういった教師の行為を学校はどうとらていたのだろうか。
  なお、この食い意地が張ったヴァルマー先生は、監督のアモール・グプテが演じている。またスタンリー少年は、監督の子息だ。 
    
  アモール・グプテ監督によると、家業を手伝う以外の、スタンリーのような就労児童はインドに約1200万人いると言われているとのこと。学校には扇風機や冷房があり家より涼しいので、仕事で寝不足気味な就労児童だが休まず登校するらしい。また、映画に登場するお弁当の中身は、すべて菜食主義食だそうです。映画の中でチキンやマトンを食べているシーンを見て不快に思う観客に配慮したらしい。
  ヒンドゥ教やジャイナ教など宗教上の殺生に対する考えを反映して、ベジタリアンは全人口の3割という政府の統計データがあるそうだ。もともと富裕層やハイカーストの人間ほど「肉食を恥じる」傾向が強い上に、にわか成金が増えた近年のインドでは、ベジタリアンは増えているらしい。 
参考サイト:マガジンハウスmagazineworldより
「ひと味ちがうインド映画『スタンリーのお弁当箱』 アモール・グプテ監督、パルソーくん インタビュー」
外部リンクです http://webdacapo.magazineworld.jp/culture/cinema/115269/

下






オリジナル・タイトル
:Stanley Ka Dabba
監督・脚本:アモール・グプテ|インド|2011年|96分|
撮影:アモル・ゴーレ
出演:パルソー:スタンリー|ヌマーン:アマン・メヘラ|アビシェーク:アビシェーク|サイ・シャラン:サイシャラン|モンティー:モンティー|アモール・グプテ:国語教師ヴァルマー|デイビヤ・ダッタ:英語教師ロージー|ラジェンドラナート・ズーチー:歴史教師ズーチー|ディビヤ・ジャグダレ:科学教師アイヤル|

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