映画「チキン・ハート」  監督:清水浩

上
忌野清志郎、池内博之、松尾スズキ。

  世間は人並みを求める。
  誰も口にしないが、実はみんな、世間が怖い。だから、いい子になる。

おでん屋  そんな世間に背を向けて、堂々と生きて行けるか?
  いや、堂々とじゃないが、自身にいささか閉じこもりがちだが、でも、それぞれ、小さな希望抱いて生きてる、この3名。つまり、写真左から順に、岩野(池内博之)と丸(松尾スズキ)と浅田(忌野清志郎)。
  勝ち組じゃない。3名とも負け犬だ。が、今はそうじゃない。でも定職なし。んで・・・。
  頼りない男たちの、頼りないお笑い話だが、観たあとにジンワリ来るものがある。

殴られ屋  岩野27歳は、噛ませ犬ボクサーだった。
  相手選手が必ず勝つために、力が劣ることで選ばれて対戦するのを生業とするボクサー。噛ませ犬という。今の岩野の仕事は、昼間はスプレーの落書き消しバイト。夜は自営の殴られ屋。
  殴られ時間2分間、料金2000円。客はボクシンググローブを付けて岩野をおもいっきり殴れる。場所は公園。客筋はスーツ姿のサラリーマン。岩野は腐っても元ボクサーだから、ほぼ殴られない。客は空振りの連続だが、うっぷん晴らしができて満足。リピーターもいるほどだ。見物人も多い。
浅田
  浅田は、やさぐれ中年ひとり身。実は妻子がいたらしいが誰にも言わない。黙って酒を呑む。無口だが一言いう時は、さり気なく重みある事を言う。
  銀座京橋あたりの街頭でティッシュ配りのバイト。ティッシュを通行人に向かって投げつけて遊んでる。何かにつけて若い岩野の面倒をみる。
  廃船寸前のPILOTボートを譲り受け大事に修繕している。船舶の免許を取ることに意欲を燃やす。いつもの浅田らしくない珍しい行動。横浜の試験会場に行き受験・・・。
営業マン
  丸は元教師。独身。
  現在、帽子屋を営む叔父の家でイソウロウ。その叔父の紹介で、村瀬(岸部一徳)が勤務するメンズ・ウィッグ販売会社に就職できた。が、完全ノルマ制の個人セールス。西新宿の陸橋から通行人を見下ろして、薄い人を見つけては、路上セールスするがうまくいくわけがない。必ず殴られる。それでもやっと、ひとりから契約がもらえそう。好きな女性もいる。  さてさて、この3人、この続きは・・・。

おやじ  3人が集まる屋台のおでん屋。この店の主の役が、荒木経惟。清志郎に劣らず、いい味出しています。
  丸を演じる松尾スズキの演技は、アクがあるというより、ベッタリ感が強く残念。    
  まあ、さらりとご覧ください。あ、そうそう。鈴木慶一の音楽が映画全編で流れる。良い!!

屋台

監督・脚本:清水浩|2002年|106分|
撮影:高瀬比呂志|音楽:鈴木慶一|
出演:岩野修:池内博之|浅田智史:忌野清志郎|丸誠二:松尾スズキ|おでん屋の親爺:荒木経惟|村瀬:岸部一徳|



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