映画「旅籠屋騒動」  (公開時の題名「お伊勢詣り」)  監督:森一生   出演:ミスワカナ・玉松一郎

ミス
伊勢屋の新米女中・ミス・ワカナと、
宿の後継ぎ、バカ息子・玉松一郎


  戦前の関西喜劇人たちによる、1939年のドタバタ喜劇映画。 
  わけてもミス・ワカナが光る。必見。漫才界の天才と言われるそうだが、すごい。

  江戸時代の伊勢。ここは、お伊勢参りの人々でごった返す旅籠街。
  狭いメインストリートでは、それぞれの宿の客引きが懸命だ。
  さて、映画の舞台の旅籠「伊勢屋」の客引きは、稼ぎ時なのに、いささか躊躇している。それもそのはず、奥座敷では伊勢屋の主(伴淳三郎)が病で伏せっている。医者の見立てでは臨終が近い。枕元に医者と主の娘(森光子)が・・・。
  一方、こんな時にもかかわらず、主の長男(玉松一郎)は、新米の女中(ミス・ワカナ)に一目惚れのまっ最中。この女中、不器用で大雑把、世間知らずで、おまけにケンカっぱやい。その上、酒好きで酔っぱらうと後先が無い。長男は、「こんな女、みたことない」ってなことで、惚れてしまった・・・。  

漫才  ミス・ワカナの演技や芸が、決して古くさくないのに驚く。
  いや、今時の喜劇人の非力を、彼女はあざ笑い、ぶっ飛ばす。そんなエネルギーがビシビシ伝わってくる。
  横山やすしが天才なら、彼女もまさしく天才だ。

  映画に出てくる漫才シーンで、ラッキー・セブン(香島ラッキー・御園セブン)の世相漫才は、戦時下の検閲を意識し翼賛的で、つまらない。と言うより、その妥協が辛い。
  


写真  昭和初期から戦中にかけて活躍した夫婦漫才ミスワカナ・玉松一郎の、「初代」ミス・ワカナ(1910~1946)。
◆ ミスワカナ・玉松一郎とは? 
  外部リンク http://ja.wikipedia.org/wiki/ミスワカナ・玉松一郎

◆ わらわし隊でのミスワカナとは?
  わらわし隊は、吉本興業(吉本興業部)が朝日新聞社と共同で結成した演芸派遣団、慰問団。日中戦争勃発後の中国大陸に派遣され、多くの兵士を慰問した。
  外部リンク http://ja.wikipedia.org/wiki/わらわし隊
  書籍もあるようだ。



監督:森一生|1939年|56分|
脚本:依田義賢|撮影:廣田晴巳|
出演:ミス・ワカナ|玉松一郎|香島ラッキー|御園セブン|平和ラッパ|森光子|伴淳三郎|浅田家日佐丸|松葉家奴|南條新太郎|


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