映画「セクシー地帯 (セクシー・ライン)」   監督:石井輝男

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  昭和36年の空気を満喫できる映画。
  でも古くならない映画です。ゲリラ的なロケ撮影の手法は、撮りたての新鮮さを今も失っていません。銀座や新橋の街がいきいきと伝わってきます。女優・三原葉子のコケティッシュな魅力、これもいい。このふたつが、この映画の柱になっています。

  社長などVIPを客にする高級娼婦派遣組織クロッキー・クラブ、一匹狼の女スリ師・真弓(三原葉子)、真弓と馴染みの刑事、そして銀座四丁目交差点、服部時計店(和光)の時計塔が映画の舞台背景。 
  銀座にある東洋貿易の若手社員・吉岡(吉田輝雄)が和光の前に立っていた。吉岡は、そこへ小走りに近づく真弓に強引に手を引かれて、ふたりは地下鉄への階段を数段降りる。そこで真弓が吉岡の手を放すと、「あんた、いい男ね。じゃサヨウナラ。」と女は階段を下りていく。と、突然、吉岡はふたりの刑事に捕まった。刑事は彼のポケットから真弓がスッタ財布を見つけ、吉岡を共犯者と断定し、吉岡は胸に入れたはずの会社の封筒が無くなっているのを知り、あの女がスリだと知った。
  吉岡がすられた封筒は、部長から預かったものだった。後日、吉岡は真弓とバーで会い、その封筒を返してもらう。バーカウンターで封を開けるとなにやら会員証が出て来た。話はここから闇へと展開し出す。
組3-2
  吉岡の職場には、ともに結婚を誓い合った玲子(三条魔子)がいる。がしかし、玲子はクロッキー・クラブの女であった。また吉岡の上司の部長は、玲子の馴染み客であった。吉岡とスリの真弓、このふたりは結果的に闇組織・クロッキー・クラブを追うことになり事件に巻き込まれていく。

ビルの前




  真弓のハツラツとした強気な行動。これに対し、吉岡はちょい腕力はあるが要領が悪くボーっとしている。この対比の可笑しさが、サスペンスを多少甘口にしているが、これこそこの映画の味です。ほかには無い。ゆったりとご覧ください。
  

監督・脚本:石井輝男|1961年|82分|
撮影:須藤登|
出演:真弓:三原葉子|吉岡博司:吉田輝雄|玲子:三条魔子|秋子:池内淳子|須藤刑事:細川俊夫|ほか

吉岡はクロッキー・クラブの秋子(池内淳子)から秘密を聞き出す。
組2-0東京駅
<右写真> 東京駅・丸の内南口と丸ビル →

<下写真> 銀座四丁目交差点。奥に松坂屋デパートが見える。
下段は和光。映画はここから始まる。
まだまだ暗い銀座。三越デパートは映画に出てこない。
四丁目
ポスター








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