「イメージの力 ~国立民族学博物館コレクションにさぐる」  国立新美術館  2014年 6月9日まで

  良かった良かった。こういう質の高い展示は嬉しい限りです。

  国立新美術館と国立民族学博物館の共同企画。
  「人類の歴史は、イメージの歴史でした。イメージは文字に先行し、さらには言葉の源になったと考えられます。世界の本質や構造にかたちや色を与えて視覚化することは、人間に与えられた根源的な資質のひとつなのです。」(展示概要から引用)
  うーん、なるほど。そう、声・手・木・茎で音を発することや踊ることで、世界をイメージ化すること、これも人間に与えられた根源的な資質だな。展示を見ていると、音楽が聞こえてきそうだった。
 
3人  展示室の入り口でいきなり、こんな3人が迎えてくれる。(右写真) その大きさは、等身大くらい。ここで、さっそくしばらく見入ってしまった。
お面  次は、広い壁に古今東西のお面が、これでもかと並んでいる。ひとつひとつ見ていると、静かな時間を楽しめる。
  だが、これらはまだまだほんの序の口で、そのほか、実にさまざまな展示が多数、趣向を凝らして次に待っている。

  展示で小さなもの、キャラメルくらいの大きさの分銅、天秤で使うこんなものが彫金されて美しいフォルム。日常的に使う道具に気持ちが込められている。 大きなものは、例えばトーテムポールのような数メートルのアジアの木彫が並んでいる。美術館の天井の高さが迫力を生み出している。
  現代のものもある。ビールやジュースの缶で作ったオモチャの自動車や飛行機。棺桶もある。その形がいい。ベンツ・ジェット旅客機・巨大なビール瓶、そして極め付けは「巨大なイカ」、これには驚く。
  もちろん、多くの展示物はアジア・アフリカを中心とした民族的宗教的な内容のものが多い。博物展として見るのもいいが、美術展として見るほうが面白い。そこら辺の現代美術と称するものより、ずっと刺激的な展示である。
  とにかく、時間がある時にゆっくり見るのがいいと思う。
  
  
関連記事
やまなか
Posted byやまなか

Comments 0

There are no comments yet.

Leave a reply