映画「エバースマイル、ニュージャージー」  監督:カルロス・ソリン  アルゼンチン映画

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  大笑いする類ではないですが、これも喜劇映画です。
  アルゼンチンはパタゴニアの雄大な景色を背景に繰り広げられる物語。

  「私は歯科医だ。虫歯菌と闘う。」 これがオコーネル医師の揺るぎないアイデンティティーだ。
  アメリカの「デュボワ歯科普及財団」という組織に歯科医として身を投じ、今はアルゼンチンに派遣され、治療器具一式をバイクに積んで、荒涼とした辺境の地をひとり巡っている。村に入り、無償で歯の治療をしたり、学校・企業やお祭りの場で歯の健康維持の講習会を開いては、普及活動に務めている。真面目で一徹な男。 「歯ブラシで、こうやって磨こう!」

  一方、この一帯に住む人々は虫歯や親不知で苦しんだりはするが、我慢することで生きて来た。よって歯の治療経験が無い。だからオコーネルが村に訪れると、村人は怖がって家から出てこない。この地の人々のうわさ伝達はすごく速い。次の村へ行くと、もう巡回歯科医のことが知れ渡っている。

  そんな中で起きる、笑えるエピソード。そんな中で紡がれる静かな愛。そしてオコーネルの落胆。
  まずは笑えるエピソード。
  怖がる人々の中には、こらえ切れない事情の人たちもいた。 
  この一帯のギャングのボスが、親不知の激痛を人知れず我慢していた。偶然出会ったオコーネルに治療をしてもらう。後日、このギャング達がバスを襲っているそばを、オコーネルがバイクで通り過ぎようとし時、例のボスは大声で丁寧な感謝の意を伝えた。荒野の羊飼い夫婦が、虫歯で泣く子どもを連れてきたこともあった。

  入れ歯をしたご年配が歯痛を訴えて来た。オコーネルがみて分かったこと、その入れ歯は母親の形見の入れ歯だった。こんなことだから、地元の歯科医もクリニック経営が大変。それでも、数少ない患者を持って、なんとか商売になり始めていた。だから、オコーネル医師の無償治療は、邪魔である、「そもそも歯科普及財団の巡回医などはヤブ医者の集団だ。」と、さげすまれる。
  ついに警察を使ってオコーネルの活動妨害に出た。その張本人、歯科医師会の会長から、「ここから早く出て行ってくれ。金を出してもいい。」 こんなことも言われた。


組み00  そんな中で紡がれる静かな愛。
  エステラ18歳、明日は結婚式であったが、よそ者のオコーネルが輝いて見えた。それに、この結婚は彼女の意に沿わぬ結婚であったようだ。
  翌朝、エステラはオコーネルのバイク(サイドカー)に密かに潜り込んだ。荒野の一本道で気が付いたオコーネルは、エステラに帰れと言うが、結局ふたりは巡回活動の旅を共にすることになる。
  しかし、恋路は順調ではなかった・・・。


組み110000  オコーネルの落胆。
  デュボワ歯科普及財団の本部と連絡が取れなくなった。なんと、デュボワ婦人が、財団をパンダの保護ための財団に変えてしまったのだ。心が揺らいだ。村人や地元医師会から疎まれ、時に馬鹿にされる、こんな巡回が何の役に立つのだ・・・。
  さらには、奥さんと連絡が取れなくなる。ほかの男に鞍替えしたようだ。そうだろう、長期不在だからね。これを知ったエステラはオコーネルを慰め、2人の愛はふたたび芽生え始めるのであった。ふむふむ。

    
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オリジナル・タイトル:Eversmile New Jersey(Eterna sonrisa de New Jersey)
監督:カルロス・ソリン|アルゼンチン、イギリス|1989年||
原作・脚本:ホルヘ・ゴルデンベルグ、ロベルト・シェウアー、カルロス・ソリン|
撮影:エステバン・コルタロン|
出演:Fergus O'connell:ダニエル・デイ=ルイス|Estella:ミリャナ・ヤコヴィチ|Celeste:ガブリエラ・アシェール|Dr. Ulises:フリ・デ・グラジーア|The Boss:イグナシオ・キーロス|


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