映画「台湾の暇人」  監督:アーサー・チュー

  台湾の郊外を舞台に3組の男女が繰り広げる、おバカでハチャメチャな話。
  三つの話、初めは無関係、徐々に関係し合い、そして絡み合い、ラストで合体!

左90  新築マンションに一番乗りで引っ越してきた、現代的な新婚夫婦。(左写真)
  季節は夏。マンションの近辺は、まだ人けがない。周囲は夜になると、真っ暗。でも、窓を開け放つと気持ちいい風。
  この夫婦は友達夫婦で仲はいいが、夫の方は倦怠期に入っている。妻がせがんでも寝てしまう。夫は愛車ミニクーパーを手入れする時、こころが一番落ち着く。 妻は、夫のために料理に手をかけ、健康器具で美容健康に余念がない。

組の0

  ある夜、夫が真夜中に愛車を撫でに行った。妻はマンションの屋上に出てみた。見晴らしが素晴らしい。遠くに打ち上げ花火が見える。その時、妻のこころに、ある感情が急にこみ上げてきて、胸いっぱいになる。部屋に戻ってベランダへ出る。夫も戻ってきて寄り添う。ついに妻は我慢していた思いがあふれ出し、泣き出した。 「どうしちゃったの?」 互いのこころが、すれ違い始めた新婚夫婦。

2組目の男女の話。(右の写真) 
  金持ちの一人娘は、若気の空しさから自殺したいくらいのヤケッパチ。娘の彼氏はチンピラ男。娘は夜中に自宅を抜け出て、イルミネーションちかちかのカフェで待ち合わせ、だったが、彼はどっかに行ったらしい。彼氏を探しに、娘は来た道を引き返す。今度は彼氏がカフェに戻って来て、「彼女は?」・・・。すれ違いだ。
  娘は、夜道で寂しげな女装男に会う。なぜか気が合って、女装男の家に行く。一方チンピラは、強盗しようと鉄パイプ片手に、人けのないマンションに侵入していた。狙ったマンションの一室は、なんと女装男の部屋だった。さらに偶然、その部屋は新婚夫婦の部屋の真下。

3組目の男女の話。(写真右端)
  マンションで同棲しているこの男女、一緒になる願いが叶わぬのか、幾度も心中を試みるが、上手く行かない。列車に乗って遠くで心中する計画だったが、男が遅刻して列車は発車してしまった後。駅のはずれで線路に横たわるが、電車は来ない。マンションに帰って、部屋で首つりしようとしたが、天井はそれほど丈夫ではなかった。手首を切ろうとしたが、痛い。次は、白と青の2種類の睡眠薬をテーブルにぶちまけて、ふたりが飲む分量を分ける。たちまち二人は寝込んでしまう。
  先に目覚めたのは男の方。再度、首つりするが失敗し諦める。そして、ま夜中に部屋を出て女装姿で薬屋を探すが、どこもみな閉店後。そんな時に、男は金持ち娘に出会う。
  一方、その頃、マンションでは、睡眠薬を多量に飲んだにも関わらず、女も目覚める。そして男がいないことに気付く。女は、ベランダの柵の外側に腰かけて、ぼんやりしている。急に苛立たしくなって、植木鉢やらコンクリートブロックを下に落とす。階下では、ちょうど新婚夫婦がベランダで 「どうしちゃったの?」 と言っている最中。不意に落ちてくる植木鉢やブロックに驚き、3階の女にわめく! 「何やってんじゃ!」 新婚夫婦は、上の部屋に文句を言いに行く。

  夫婦が階段を上がってみると、3階の部屋のドアは開いていた。鉄パイプを持ったチンピラが先に侵入していた。女装男が金持ち娘を部屋に連れてきた。さあさあ、すれ違い合う、この男女・3組が、ここで、思いがけなく鉢合わせ。おかしいドタバタ光景が展開する。

  ああ、好きですね、こういう映画。
  文章にするとダラダラですが、観て楽しむ映画です。

鉄パイプで脅す不良男。金持ち娘を盾にする新婚夫婦。
奥は自殺未遂の女。その相手の男で女装男は、鉄パイプで殴られ床に転がっている。

下
オリジナル・タイトル:假面超人|英題:Falling Up Walking Down
監督・脚本:アーサー・チュー(瞿友寧 チュウ・ヨウニン)|台湾|1997年|102分|
撮影:タシ・チェン・フェイ|
出演:チャン・ユン・チェン|チャン・リー・チェン|リン・シェン・ワ|チャン・フェン・シュ|チャオ・ユー・シア|スー・ティエン・シャン|


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