映画「コーヒーをめぐる冒険」  監督:ヤン・オーレ・ゲルスター

上

0-55.jpg  この映画、どうも腑に落ちない。
  まず、映画が観る者に、説明し過ぎるのである。つまり観る者が想像する余白が無い。
  次に、主人公ニコに比べ、脇役俳優連の存在感・個性が強いため、各脇役に設定された不可解な世界観が、話の主題よりも前面に強く出て来てしまう。かつ、脇役がシーンごとに入れ替わり立ち替りするので、この映画は一体何を言いたい映画なの? という壁にぶち当たる。
  かと言って、主人公ニコが表立たずに話の進行をつかさどる狂言回しか? というと、そうでもなさそう。最後まで、中途半端さが付きまとう。Oh Boy 
 
  いや、脇役を主に考えて、それぞれの脇役登場人物たちが持つ、不可思議さを組み合わせたパズル的な作品だと捉え、このパズルを解けば現在のベルリンが分かる仕掛けなんだ、と思えばいいか。やっぱりニコは狂言回しか。

  映像はモノクロですがデジタルなのでしょう、エッジがキリリと立ってパキパキしていて、これはこれで気持ちいい味です。
  ニコの同級生ユリカ役の女優フリーデリッケ・ケンプターが光っています。
  この映画を観て、ヴィム・ヴェンダースを持ち出す向きもあるかもしれないが、そう言う方には初期のヴィム・ヴェンダース作品を、も一度観ることを薦めます。

下

オリジナル・タイトル:Oh Boy
監督・脚本:ヤン・オーレ・ゲルスター|ドイツ|2012年|85分|
撮影:フィリップ・キルサメル
出演:トム・シリング:ニコ・フィッシャー|マルク・ホーゼマン:友人マッツェ|フリーデリッケ・ケンプター:同級生ユリカ|ユストゥス・フォン・ドーナニー:上階の住人カール|ウルリッヒ・ノエテン:ニコの父|ミヒャエル・グビスデク:老人フリードリヒ|フレデリック・ラウ:不良青年リーダー|カタリーナ・シュトラー:ガールフレンド|アンドレアス・シュレーダース:神経質な心理学者|カタリーナ・ハウク:コーヒーショップ店員|キャスリン・フィッシャー:モヒカン店員|アルント・クラビッター:クサい芝居の俳優|リエンダー・モーダーゾーン:エリート部下|マルティン・ブラムバッハ:無賃乗車検察官|RP・カール:検察官R2D2|テオ・トレブス:ドラッグディーラー少年マルセル|リス・ボットナー:マルセルのおばあちゃん|アレクサンダー・アルトミリアノス:中華好き劇場受付スタッフ|シュテファン・C・ユルゲンス:前衛劇団演出家|ティム・ウィリアムズ:夜のバーテン|ザンネ・シュナップ:明け方の看護師|


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やまなか
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