映画「バックコーラスの歌姫(ディーバ)たち」  監督:モーガン・ネビル   ドキュメンタリー映画

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  いい映画だ。ジーンときました。
  この映画のオリジナル・タイトルは、「20 Feet from Stardom」 だ。 
  つまり、スターが歌うステージ中央から6メートル離れた場所が、バックコーラス隊が歌う立ち位置。そして、バックコーラスの歌姫から見れば、スターダムまで、あと6メートルの距離。
  
  歌姫たちは、幼いころからゴスペルが歌われる黒人教会の聖歌隊で歌っていて、歌うことが大好きで、天才的にすごく上手な少女たちだった。そして、ソウル(R&B)音楽業界に入り、下積みから這い上がり、抜擢されて女性コーラス隊の一員となる。
  一員となって第一に重要な事は、メンバー間の声のトーンの調和と団体行動。自分だけ目立っちゃいけない。「あんたの替りは何人もいるよ。」 そして、どんなスターの声質にも、寄り添うことができる声の七変化が大切。
  この映画に出てくる歌姫たちは、みな相当な実力者たちだ。スター歌手に負けない歌唱力がある。だからこそ、質の高いバックコーラスができるのである。
  しかし、うますぎるのだ。コーラス隊の中で目立ってしまう。それをみて、スターミュージシャンや音楽プロデューサーは彼女を抜擢して、ライブツア-を共にしたり、リードボーカルをとらせたりする。例えば、ストーンズやマイケル・ジャクソンが、そうだった。
  そして歌姫たちは、残り20 Feetを歩いて、ソロ活動に入るが、さて思うように売れない。理由はある。スターとして売れるには、歌唱力以上に必要な能力・意欲を持ち合わせていないといけないのだ。その能力とは、・・・。
  アレサ・フランクリン並みの歌唱力があっても・・・華がない、とか性格が温和すぎる。プロデューサーをヨイショするコミュニケーション意欲が乏しい、ビジネスマインドが足りない。あるいは、音楽プロデューサーに騙される、所属レコード会社の経営方針変更。そして極めつけは「運がない」・・・。まあでも、こんなことは音楽業界の中だけじゃなく、日々のオフィスでもよくあることですがね。

55組00  とにかく、彼女たちの歌を聴いてやってほしい。私はリサ・フィッシャーが好きだ。
  ミック・ジャガーやブルース・スプリングスティーンやスティービー・ワンダーたちの証言が生々しく伝わってくる。彼らは歌姫たちを愛している。
  

オリジナル・タイトル:20 Feet from Stardom|
監督:モーガン・ネビル|アメリカ|2013年|90分|
撮影:ニコラ・B・マーシュ、グラハム・ウィロビー|
出演:<歌姫たち>ダーレン・ラブ|メリー・クレイトン|リサ・フィッシャー|ジュディス・ヒル(マイケル・ジャクソンとライブを共にした。彼の死後もソロ活動を目指している)|クラウディア・リニア(業界を去った)|タタ・ベガ(業界を去った)|ほか
<証言するミュージシャンたち>ミック・ジャガー|ブルース・スプリングスティーン|スティービー・ワンダー|スティング|ベット・ミドラー|
<ライブ・シーン登場ミュージシャンたち>マイケル・ジャクソン|デビッド・ボウイ|ジョージ・ハリスン|リンゴ・スター|レイ・チャールズ|デビッド・バーン|トム・ジョーンズ|ジョー・コッカー|アイク&ティナ・ターナー|シェリル・クロウ|カイリー・ミノーグ|ほか


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