ポコラート宣言 : 「純粋」で「切実」な行為や表現が「逸脱」した存在となった時、 私たちは、そこに「芸術」としか言いようのない美しさを感じる。  ポコラートは、障がいの有無・年齢・経験を問わず、その「芸術」を世界に解き放つ。

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  「ポコラート宣言 2014」という美術展。 (主催:千代田区、アーツ千代田 3331)
  美術展が言ってる事が、なんだか、てんでワカラナイ。
  まず、ポコラートとは、「障がいのある人・ない人・アーティストが、核心の部分で相互に影響し合う場」 という理念を示す名称、らしい。 うむ。ちょっとは、分かった気もするが、やはり何言ってんだかワカラナイ。 
  ま、展覧会場に行けば、納得するはず。 さて・・・。
  
  あれ? どの作品が「障がいのある人」の作品なの?
  展示は、54名による作品からなっている。 そして「ある人」と「ない人」の作品区分展示や、障がいの有無表示をしていない。両者の作品が混在して展示されている。
  「ある人」の作を期待してきた人がいたとすれば、たぶん、とまどうことだろう。どれが、そうなの?
  
  期待その2。フォークアート的な素朴な作品ってないの?
  これも、ほぼ、期待を裏切るだろう。
  だって、製作者も私たちも、現代の膨大な視覚情報の海に浮かんでいるようなものだから。TV、インターネット、商品パッケージ・デザイン、雑誌・ポスター・看板・・・つまり、そのほとんどが宣伝・デザイン情報。 だからか、どの作品もみんな、デザインセンスは現代的です。

  持って帰りたい作品がふたつあった。
  齋藤裕一氏の「ドラえもん」。同名の作品のうち、一番紙面サイズが大きい「ドラえもん」。いいな。
  もちろん、ドラえもんの絵ではない。白地に青の細字マーカーペンによる抽象的線画。青い線は、線同士が緻密に関係し合いながらも、同時にそれぞれに勢いと踊りがあって、見飽きない。欲しい。
  もうひとつは、小林覚氏の書。大きな和紙に大きな文字が30文字ほどの墨書。その墨文字による文章内容は忘れたが、これも見飽きない。この人は、たぶん「ない人」だと思う。

  専門的な美術教育を受けて、つまりそんな学歴があって、美術界の主流の中にいる人が、優れたアーティストなんだろうか? それって世の中が認めやすい人ということか? う~ん。

50-1.jpg   そんな憂さを吹き飛ばす美術展 「イメージの力 ~国立民族学博物館コレクションにさぐる」  国立新美術館  
  ぜひ、見に行ってほしい。 2014年 6月9日まで  美術展レビューは、こちらから、どうぞ。

50-2.jpg  画家ニコ・ピロスマニの映画。
 映画「ピロスマニ」  1969年|グルジア(ソ連)|監督:ゲオルギー・シェンゲラーヤ  
 ニコ・ピロスマニは、19世紀末から20世紀初頭(1862-1918)のグルジアの画家。
 ナイーブ・アートという絵のジャンル。  レビューはこちらから、ご覧ください。   
 
  
  (注)上記標題にある、「逸脱」した存在となった時、の「逸脱」とは、「アール・ブリュット」や「アウトサイダー・アート」という枠を「逸脱」する、ことらしい。 「アール・ブリュット」とは、専門的な美術教育を受けない人々による自由で自発的な表現をめざす芸術。 「アウトサイダー・アート」とは、いわゆる美術界の主流には影響されずに独自に生み出される表現を指す、らしい。 (以上、展示会パンフレットより抜粋)
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やまなか
Posted byやまなか

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