映画「こだまは呼んでいる」  監督:本多猪四郎  主演:池部良、雪村いづみ

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バスの車掌と運転手の、牧歌的で陽気なラブロマンス。

 昭和34年ごろ、山梨県にある中央本線韮崎駅。ここを始発にする山梨交通のバス営業所。
 車掌のタマ子(雪村いづみ)と運転手の精造(池部良)は、つづれ折りの険しい山岳路線を受け持っている。山に入っての道は、この小ぶりなバスがやっとの道幅、ガードレール無し、未舗装、そして道の下は絶壁が続く。ワイルドだ。危険個所に来るとタマ子は、バスのドアを開け、身を乗り出して、オーライオーライ タイヤが道からはみ出さないよう確認し続ける。車掌と運転手の呼吸が合わないと、危ない路線だ。
 タマ子に縁談の話が来た。韮崎の旧家のひとり息子だ。タマ子の実家は、彼女の担当路線の終着駅、山あいの集落にある理容店。この縁談は、お坊ちゃまの、一方的な一目惚れではあるが、玉の輿、そして身分違いの話でもある。結局、一週間の試用期間が設けられ、タマ子は旧家に住み込むことになる。しかし、やはり身分違い、いや生活文化が違い過ぎて、話は破談になる。
 落ち込むタマ子、そんなタマ子の様子を遠目に見やる精造。そして、あることが起こって、ふたりは気付くのであった・・・。

 名優たちが脇を固めます、盛り立てます。
 タマ子が実家に出戻った時のシーンで、トラックのエンジン音が聞こえてきます。窓の向こうに、ミニチュアのトラックが過ぎて行きます。東宝技術部の特撮ですね。
 昔のローカルバスの話が好きです。「有りがたうさん」、「秀子の車掌さん」、「雲がちぎれる時」、とかありますね。

下監督:本多猪四郎|1959年|86分|
脚本:棚田吾郎|撮影:芦田勇|特撮:東宝技術部|
出演:池部良:鍋山精造|雪村いづみ:三好タマ子|伊東隆:三好富雄|沢村いき雄:三好菊三|千石規子:三好おせん|沢村貞子:平沢孝子|藤木悠:平沢健一|左卜全:籠屋の爺さん|飯田蝶子:籠屋の姿さん|内海突破:諸田|小柳久子:瀬戸信江|横山通乃:京子|由利徹:為さん|南利明:勝ちゃん|若水ヤエ子:姙婦|瀬良明:姙婦の夫|出雲八重子:夫の母親|藤尾純:バス営業所主任|八波むと志:神主|小桜京子:村の娘A|笹るみ子:村の娘B|河美智子:村の娘C|三浦敏男:書店の小店員|加藤春哉:ハイカーA|重信安宏:ハイカーB|大村千吉:ハイカーC|馬野都留子:農婦|家田佳子:花嫁|中山豊:運転手|

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やまなか
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